2020.05.30
自慢じゃないけど、仕事は一度も休んだことないし、残業だってバリバリしてる。
周りを見渡すと、自分はなかなかの働き者だなって実感することもある。
そんな私だけど、あるとき耳にした「無能な働き者」という言葉が心に引っかかっている。
無能な働き者って何? がむしゃらに頑張ってるのに”無能”認定されることがあるの?
真面目に仕事に向き合っていても無能扱いされるだなんて、心外だ。
でも、そう呼ばれるのにはきっと「有能な働き者」との明確な違いがあるのだろう。
自分が職場で「無能な働き者」になっていないか、不安でたまらない。
無能な働き者ならではの特徴と、無能な働き者にならない方法を教えてほしい。
ドイツ軍人のハンス・フォン・ゼークトが提唱したといわれている「ゼークトの組織論」。
もともとは軍人を4タイプに分類したものですが、人間の資質そのものにも当てはめられます。
本記事のテーマである”無能な働き者”をはじめ、組織内に存在する4タイプの人間には、それぞれどのような特徴があるのか知ってみましょう。
現代では、特に身近な組織となるのは「職場」です。
自分自身や仕事で出会った人たちを思い出して、特徴を照らし合わせてみてください。
無能な働き者は、間違った働き方で突き進んでしまうタイプです。
働く意欲はあるため積極的に仕事をしますが、取り返しのつかない事態を招くことがあります。
周囲と目指す方向がズレている・間違いを指摘されても認めないなど、組織内における協調性に欠けた仕事の仕方をしてしまうのです。
ただ本人は一生懸命に仕事をしているため、一人でどんどん進んでいった結果として、時に致命的なミスを犯しやすいといえます。
無能な怠け者は、自発性はないが言われたことをこなすタイプです。
自分の頭で考えたり、仕事を提案したりすることに関心を持ちません。
そのため自ら行動を起こすことはありませんが、「これをやってください」と言われれば、きちんとマニュアル通りにこなせるのが特徴。
無能な働き者と違うのは、勝手に行動を起こさないところ。
そのため作業的な仕事に向いています。
有能な怠け者は、うまく手を抜きつつ組織を成功に導くタイプです。
どうしたら楽に成功できるか・効率よく進められるかを優先して考えるため、立ち回りが上手。
「自分がやるより人がやった方がいいことは何か」を理解しているので、あまり頑張りすぎずに周囲の人をやる気にさせます。
全体を見て指示を出したり人に任せたりすることが得意で、プレイヤーよりも組織のトップやマネージャー向きです。
有能な働き者は、意欲がある上に緻密な仕事ぶりで活躍するタイプです。
周囲をよく見ているだけでなく、自分の頭で考えて積極的に行動することを好みます。
組織内で何が必要なのか・どうするべきかを汲み取りながら、成果を出すために貢献する姿勢が特徴です。
有能な怠け者同様にコミュニケーション力がありますが、自分自身が働き者であるため、トップに立つ人のアシスタント役や組織を安定させる基盤作りに向いています。
せっかく仕事への意欲があるのに、無能な働き者になってしまうのは避けたいところ。
「自分が無能な働き者になっていないか心配…。」と感じたら、会社における”無能な働き者”の特徴をチェックしてみよう。
会社での働き方に特徴が現れるのは、自分なりに熱意を持ってやっている証拠。
もし当てはまる項目があれば、その熱意を保ちながら改善する意識を持つことで、今後飛躍できる可能性があります。
無能な働き者には、仕事で同じミスを繰り返す特徴があります。
ミスをしてもあまり気に留めていないところがあり、反省することなく流してしまうのです。
「うっかりミスしてしまった」というよりも、「ミスをミスと捉えていない」ことが原因。
ミスの改善には意識が向かず、ひたすら仕事を進めていく傾向があるため、なかなか仕事の質が上がらないまま周りに負担をかけてしまうことも。
他人のアドバイスは求めないし、されても参考にはしない。
会社やチームが目指す方向性は、自分の仕事にはあまり関係ない。
無能な働き者には、他人の話を聞かず、我流で仕事を進めていく傾向があります。
自分の頭で考えるのは良いことですが、チームとして働く場合は、周りと目指す方向性がズレていると目標達成を阻害してしまうことも。
さらに他人の話を聞かないでいると、「ズレているよ」という注意も耳に入ってこないのです。
夜遅くまで働いている自分は、定時で帰る人より会社に貢献できている。
“長時間労働こそが正義”だと思っているのは、無能な働き者に見られる特徴です。
長く働けば働くほど「よく仕事している」と捉える傾向があります。
そのため効率化を考えず、ひたすら長時間労働を続けているのです。
仕事の成果とは、何をしたか・どんな結果を出せたかであり、決して時間の長さではありません。
無能な働き者には、自分の非を認めない・改善しないところがあります。
自分の働き方に自信を持っているため、「何も直す必要はない」と考えているのです。
そのため、他人に注意されても話を聞かない・自分の仕事を振り返らないことが特徴。
「他人のアドバイスはいらない」と突き返すと、組織として直すべき箇所も直せなくなってしまいます。
注意をすべて受け入れるべきとは限りませんが、そこを冷静に判断するためには、自分なりに「何がどうしていけないのか」考えることが大切です。
目標を達成するためには、日々の仕事で結果を出すことが必要です。
しかし、無能な働き者には「何が必要な”結果”となるのか」見えていない特徴があります。
そのため、自分のやるべきことが明確になっておらず、やる気を出すこと・長時間労働などが仕事の目的になっているのです。
会社とは、何らかの目標・目的があって存在しているもの。
たとえやる気があっても、その使い道を誤ってしまうと評価につながりません。
無能な働き者は、自分のミスを他人のせいにすることがあります。
「そもそも、そういう指示をしていないのが悪い。」
「説明がわかりにくかったから、自分で判断するしかなかった。」
このように、ミスを指摘されると「原因は他人にある」と主張するのが特徴です。
何が起こっても、自分は正しい・他人が間違っていると捉える傾向があり、自分の仕事については反省することがありません。
無能な働き者って、会社に貢献するどころか、むしろ邪魔してる?!
せっかく頑張って仕事してるのに、そんな人にだけはなりたくない…。
そもそも、仕事に対してやる気がなければ「無能な働き者になりたくない」とは思わないもの。
「良い仕事をしたい」「仕事ができる人でいたい」という熱意があるからこその不安です。
その気持ちがあるのなら、日々の心がけ・行動次第で、無能な働き者になることは避けられます。
無能な働き者になっている人は、まさか自分が”無能”だなんて思っていません。
自分の働き方を振り返らなかったり、チームとしての方向性のすり合わせを怠った結果として、頑張っているのに「無能な働き者」になってしまうのです。
そうならないために、会社における働き方についてあらためて意識してみよう。
「今の職場で、無能な働き者にだけはなりたくない。」
「無能な働き者になりそうな要素があるから、改善しておきたい。」
ここからは、職場で役立つ“無能な働き者にならないための方法”をご紹介。
日々心がけることで、無能な働き者とは真逆の「会社にとって良い働き方」ができます。
大事なポイントは、自分が組織の一員である自覚を持つこと。
そこに所属している以上は、自分が働く目的と同様に、組織の目的を把握することも大切です。
無能な働き者にならないためには、チームで働く意識を強く持つことが大切です。
「自分は頑張っているからそれでいい」と周りを見ない働き方が、方向性のズレを引き起こします。
それぞれの役割や協力があって、チームは成り立っているもの。
目の前の仕事に向き合っているのは自分一人でも、会社が動いているのはみんなのおかげです。
コミュニケーション不足も”無能”と判断されるきっかけになり得るので、仕事の一環としてチームの和を心がけましょう。
「報・連・相」は、職場での重要なコミュニケーションとなる「報告・連絡・相談」のこと。
この3つを徹底することで、重大なミスの防止・方向性のすり合わせができます。
無能な働き者は独断で仕事を進める傾向があるため、取り返しがつかなくなってから問題に気がつくケースも。
依頼された仕事は、経過・結果報告をする。「これで大丈夫かな?」と感じたら相談する。
あまり必要ないように感じても、職場においてはしっかりとした信頼関係を築けるメリットがあります。
常に仕事の意味を考えながら遂行することで、無能な働き方を防げます。
仕事とは、ただ頑張っていればいい・長時間会社にいればいいものではありません。
自分が今やっていることは、会社にどんな影響をもたらすのか。
どうしてやる必要があるのか。
仕事の意味を考えられると、仕事への目的意識・やらなくていいことへの改善意識ができます。
やる気を良い方向に活かせれば、より本質的な働き方へと近づくのです。
誰しも、何かに取り組んでいれば失敗することはあるもの。
「失敗はしてはいけないこと」「自分はミスをしない」と失敗から逃げてしまうと、一向にミスが改善されず無能な働き者になります。
大事なのは、失敗から学びを得て、仕事の質を上げていくことです。
ミスをしたときは「どうしてミスをしたのか」「ミスを繰り返さないためにはどうしたらいいのか」を考えて、今後に活かす意識を持ちましょう。
無能な働き者になる原因として、頑張りが成長につながっていないことが挙げられます。
「自分のやり方は変えられない」「このスタンスで頑張る」と、力量の限界を固定してしまうと、変化がないだけでなくミスも放置したままに。
自分の力量に限界を決めなければ、少しずつでも成長はしていけるもの。
努力を積み重ねてできるようになること・直せることはたくさんあります。
自分の可能性を信じて、能力を伸ばしていくことを心がけましょう。
仕事においては、常に危機感を持って取り組む姿勢が大切です。
自分は、会社にとって「不必要」とされる働き方をしていないか。
自分の行動が、良くも悪くも会社にどんな影響を及ぼしているのか。
あらためてよく考え、働き方によっては会社にいられなくなるという危機感を持ちましょう。
また自分のことだけでなく、上司の評価を下げる・会社の業績が悪くなる可能性もあります。
組織の一員である自覚を持つために、いい意味での危機感は必要です。
職場の人から「無能」だなんて思われたら辛い。
頑張り方が間違っているなら、いっそのこと頑張らない方がいい?
「無能な働き者になりたくない」と感じたら、自分の心がけ次第で無能になるのは避けられる。
せっかく素晴らしい仕事への意欲を持っているのなら、その意欲を適切な方法で活かそう。
頑張ることを諦めるより、頑張り方を意識することが何よりも大切なんだ。
入社一年目の人も十年目の人も、仕事の内容や立場に違いはあれど、同じ組織の一員だから。
自分の仕事が会社に及ぼす影響を、どんなに小さなことでも感じとってみよう。
自分の貢献は、仕事の先にいる誰かに届いているかな?
それとももっと良い届け方はあるかな?
大事なことを忘れずに、無能な働き者にならないように仕事に取り組んでいこう。
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。
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