2020.05.29
もっと思いやりを持ちなさい。他人のことを考えて行動しなさい。
この指摘を何度も聞いてきた。
どうやら私は思いやりがない人間らしい。
指摘されるのが嫌だから、頑張って私なりに「気遣い」や「優しさ」を振りまいてみた。
でも、行動したのにまた「思いやりが…」と説教されてウンザリしてるんだ。
気遣いすればするほど、自分をすり減らして生きている感覚になる。
思いやりがあっても“報われない”じゃないか。
そもそも「思いやり」という言葉は曖昧で、何が正解なのかは他人の主観で変わる。
他人の心を探って必死に行動する日々は息苦しいだけ。
あなたたちが望む思いやりとは、いったい何?
もっと具体的なわかりやすい言葉で、私の心を動かしてよ。
思いやりとは「相手や周囲の立場になって考える」「相手の気持ちを察して気遣いのある行動をする」といった意味。
“思いやりがない”と言われたけど、いったい何が悪いの?
自分なりに相手の気持ちを考えて、思いやりを向けてるんだけど…。
こうした場合、相手の抱く“期待”に対して、自分の行動がマッチしていないことが考えられます。
「相手の期待値が高い」「自分が求められていない行動を取っている」の2つのケースがあり得るのです。
思いやりがあると相手との感情のミスマッチが減り、「この人なら安心できる」「優しさを返したい」と思ってもらいやすくなります。
ただし、思いやりには「自己犠牲」「我慢」といった側面もあり、時にはバランスや加減が必要です。
「思いやりがない」という言葉は、曖昧すぎて意味がわからないから困る。
思いやりとは具体的に何なの?
他人の気持ちとのズレが大きい時、「思いやりがない」と言われる傾向があります。
ところが、「どうしてズレるのか」や「何が悪かったのか」をわかりやすく教えてくれる機会は多くありません。
そこでまずは、「思いやりがない人」の心理や行動をご紹介。
項目の中にズレが生じる原因が隠れている可能性があるため、思い当たるものがないかチェックしてみましょう。
「自分がどう感じるか」を優先すると、他人との感覚の違いが顕著に表れやすくなります。
価値観や気持ちが全て同じ人はいません。必ず何かしらの「ズレ」が生じるもの。
強く主張したり断言・決めつけが多い人は、悪気なく他人の気持ちを「遠回しに否定してしまう」こともあるのです。
相手に好かれるコミュニケーションを取るには、「相手の価値観を尊重すること」がポイント。
思いやりがない人は自分の感情を優先するため、相手に我慢を強いる会話をしてしまうのです。
そもそも他人に興味がない。自分の話をしている方が楽しい。
このように、他人の気持ちを聞き出すステップを「億劫」に感じると、自分目線の行動が増えます。
相手の気持ちは相手にしかわかりません。思いやりを向けるにはまず、その人の言葉にしっかりと耳を傾ける過程が欠かせないのです。
思いやりを意識しても上手くいかないのなら、「相手の気持ちを引き出せているか」や「見逃しているサインがないか」を振り返ってみましょう。
思いやりを向けるには「自分の意思を優先したい」「認められたい」「称賛されたい」といった感情を我慢する必要があります。
これは「自己犠牲」ともいえ、自分の欲求を重視する人にとって「犠牲になる意味」が見いだせないのです。
思いやりのある人は「他人の満ち足りた顔を見ると嬉しい」「皆で幸せになるのが自分の喜び」といった価値観が根本にあります。
そして、誰かから親切にされた経験が、こうした価値観を生み出すのです。
思いやりがある人は「嫌そうな顔」や「怒った態度」を見せません。
なぜなら、相手を傷付けるリスクがあるから。
不快感をストレートに表現するのは、自分の気持ちを守るために有効です。
しかし、他人の気持ちを尊重する「思いやり」の観点から見ると、必ずしもベストな振る舞いとはいえません。
本心を隠して笑顔を浮かべ続けるのは大変。ですが、素直にネガティブな感情を出しすぎると、今度は周囲に気を遣わせてしまいます。
相手の立場に立って考える人は、困っている人を見て「辛そう」「助けないと」「笑顔になってほしい」と感じます。
ところが、「思いやりがない」と呼ばれる人は自分視点で物事を見ているため、困っている人へ“共感”できません。
「自分は困っていないから大丈夫」「困っているとしても他人の問題」という思考で完結してしまうのです。
思いやりは「もし自分が相手の立場だったら…」と置き換える思考から生まれます。
他人の間違いを指摘するには勇気が必要です。しかし、そのまま放置するよりも、気付いた時に優しく伝える方が相手のためになることも。
仮にあの人が失敗しても、困るのは自分じゃない。
反発されたくないからスルーしよう。
こうした「自分への影響」を優先すると、いつまでも間違いを放置してしまいます。
相手が間違いに気付くことよりも、自分がリスクを負わないことの方が重要で、自分にとって安全な道を選ぶのです。
思いやりとはどんなものかわかってきた。
でも、思いやりを向けたところで、「自己犠牲」や「我慢」ばかり目について…。
他人が幸せになれても、自分は幸せになれないんじゃない?
「思いやりを向けるメリット」を感じられないと、わざわざ自分の欲求を抑えてまで他人のために行動しようとは思えません。
では、思いやりを持つといったいどんな“プラスな影響”があるのか?
まず、他人から深く信頼されるようになります。
そして、困った時に支えてくれたり、失敗を許してくれたり…。自然体の自分を受け入れてもらえ、あらゆる場面で“自分自身が生きやすくなる”のです。
さらに、誰かに「褒められる」「認められる」などの経験は、この上ない幸福感で心を満たしてくれます。
「思いやりがない」と言われても、具体的にどうすればいいのか誰も教えてくれない。
いったい何を意識すれば、「思いやりがある」と認識してもらえるの?
ここからは、「思いやりがない」と言われて悩んでいる人に向けて、見直すべき5つのポイントをご紹介していきます。
どう行動すればいいか迷った時には、「自分がされて嬉しいことは何かな?」と置き換えてみましょう。
他人の気持ちを理解することは難しいですが、目線を近づけるには効果的な方法です。
思いやりに「正解」はありません。
「何を求められているか」を考えすぎると空回りするため、まずは「相手が喜ぶこと」を行動にしてみましょう。
例えば、会話中に丁寧なリアクションや相槌で聞き手に回ったり、相手の長所に気付いて褒めたり、「頑張ったね」「さすが」と声をかけたり…。
ちょっとした「嬉しい振る舞い」の積み重ねが、“思いやりのある人”というイメージに繋がっていきます。
思いやりとは「相手の感情を大切にすること」でもあります。
自分の感情を優先すると、相手を委縮させたり、我慢を強いる原因に。自分優先になっている時は冷静に客観視しましょう。
自分はこう思うけど、他の人の立場でも同じことを考えるかな?
このように、「自分と他人」の両方の感情を意識できるとベスト。一方的な主張や強すぎる意見が出そうになった時は、一呼吸置いて優しい言葉で表現しましょう。
人は「自分の価値観を受け入れてくれる」と感じると、相手に対してポジティブな印象を受けます。
もし意見が食い違ったとしても、論破や否定はせずに、「〇〇君はこう感じるんだね」「なるほどね」と尊重してみましょう。
また、「楽しそう」「それは辛いね」「大丈夫だった?」などの、“相手の思い”に寄り添った言葉が使えると、さらに「思いやりのある会話」に近づきます。
会話の内容だけでなく、背景にある“気持ち”にも目を向けてみましょう。
「思いやり」には自己犠牲的な側面があります。
しかし、相手もちゃんとそのことに気付いているからこそ、「譲ってくれてありがとう」「私のために行動してくれて嬉しい」と感じるのです。
自己犠牲が行き過ぎると逆に生きづらさを抱えます。ですが、自分優先な生き方をすると孤立する原因に。
時には他人の幸せを優先して、「犠牲」や「我慢」を受け入れてみましょう。
他人からの信頼が実感できれば、「我慢も悪くはないかも」と思えるようになってきます。
思いやりのない人は、「思いやりを向けられた経験が少ない人」であるケースも少なくありません。
ところが、思いやりは細やかな言動の裏に隠れています。
「周囲からの思いやり」に気付かず生きていることも。
まずは他人の善意や気配りを見つけて、積極的に「感謝」を向けるようにしましょう。
「すみません」と謝るのが癖になっている人は、「ありがとう」を増やすことが大切です。
会釈や謝罪よりも、ストレートな感謝の言葉の方が、相手の心を豊かにします。
私たちは生きるうえで様々な人と出会い、人生をともにする。
思いやりとは「他人を幸せにするため」の手段でもあり、「自分が生きやすくなるため」の手段でもある。
我慢や自己犠牲を受け入れるのは怖い。そして、誰しも自分を大切にしたいと願う。
でも、「思いやり」はいつか巡り巡って“自分のため”になるから、ためらわなくて大丈夫。
人から愛されるにはまず「与える」ことが不可欠。
与えられた人は心のどこかで“感謝”を覚えていてくれる。
相手の心の準備ができた時、思いやりから生まれた“感謝”が、さらなる「思いやり」として還ってくるんだ。
この温かい循環に身を委ねて「思いやりの心」を尊重してみよう。
そこには、損得では計れない“幸せ”が詰まっているから。
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。
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