2020.05.11
昔から自分の頭の中で思考を巡らせる癖がある。いわゆる妄想癖。
現実世界を見ながら、「もしかして…」「実は…」と妄想が膨らんでいく。
妄想癖は意図的なものじゃない。勝手に頭が回転するだけ。そして何より楽しい。
でも、たまに妄想の内容を周囲に話すと、温度差やギャップを感じる。
妄想癖があるからといって、誰にも迷惑かけてなければいいじゃん。
思うだけならタダだし。現実世界ばかり見るより妄想癖の方がよっぽど幸せ。
憧れの〇〇君がこっちを見てくれたから、気になってるのかも。
今年はきっと宝くじが当たる。最近冷たいあの子は気分屋なだけ。
色々妄想しているけど、これってごく普通の思考だと思う。
私の妄想癖、変じゃないよね?
妄想癖とは、現実にはないことを思考し、時にはそれが現実だと思い込むことです。
妄想癖は程度や種類が幅広く、例えば「宝くじが当たるかも」「〇〇君と両思いかも」といったソフトなものから、「あの人は心の底で私を嫌っている」と決めつけるものまであります。
妄想癖自体は悪い事ではありません。
ですが、妄想癖に頼りすぎると、現実とのギャップが開いて辛い未来を招きます。
妄想癖は現実逃避としての役割があり、妄想が癖になると「記憶を置き換える」「現実だと思い込む」といった脳の仕組みが強化されるのです。
妄想癖は「ストレスを受け流す」「クリエイティビティを高める」などのプラス効果もあります。
妄想癖のポジティブ要素を活かすことで、長所として発揮できるのです。
妄想癖と上手に向き合うには、「なぜ妄想してしまうのか」を知ることが大切です。
妄想癖を持つ人の多くは、「気付いたら妄想していた」「思考が切り替わる瞬間をコントロールできない」などの感覚を味わっています。
妄想癖とは無意識レベルで起きる脳の反応なのです。
ここからは、妄想癖の原因を解説していきます。自分の内面を深く理解するために、当てはまるものがないか、胸に手を当てて振り返ってみましょう。
妄想癖がある人は脳内会議が多く、一人で深い思考を重ねます。
誰かと意見交換したり、アドバイスを貰う環境が少なく、孤独な感情を埋めるために妄想しているのです。
脳内にもう一人の自分がいて対話している場合、根本に「強い孤独感」を抱えている可能性が大。他人と深く関わる機会が増えると、次第に妄想の必要がなくなっていきます。
本当に求めているのは「妄想」ではなく「理解者」や「寄り添ってくれる人」という可能性もあるのです。
妄想と現実が一致していることは少ないといえます。なぜなら、妄想癖とは思い通りにならない現実への「ジレンマ」が生み出した願望だから。
期待と違う結果を見ることに耐えられず、妄想を膨らませることで、不満やストレスを回避しているのです。
この場合、そもそも物事への期待が強かったり、自分を守ろうとする反応が強すぎる可能性が考えられます。
妄想癖が強い人は、ストレスと上手に向き合う思考法や、問題の乗り越え方を知らないのです。
「こうなりたい」という願望や夢を抱きつつも、「勇気が出ない」「変化が怖い」などの理由で行動できない人は、妄想癖に発展する可能性があります。
「行動できない自分」に対して、“やるせなさ”や“不満”といったストレスを抱えているのです。
心の底では“行動的な自分”になることを望んでいます。でも、現実の自分はその逆。
妄想癖によって一瞬ストレスが和らいでも、心のどこかで「葛藤」を抱いて苦しみ続けています。
妄想癖とは「望んだ未来」と現実を置き換える反応。
将来に不安を抱えていると、不安をかき消すかのように妄想が膨らんでいきます。
人は「現実を否定したい」と思うと、「現実とは真逆の妄想」に固執することが少なくありません。
そのため、妄想癖が強くなると実現性のない未来を信じ込み、現実世界ではどんどん厳しくなります。
そして最終的には「妄想してる時の方が幸せ」と感じて、妄想が主軸になってしまうのです。
トラウマを抱えている人は、辛い経験がフラッシュバックしないために「回避行動」を取ります。その一環として、妄想でカバーすることもあるのです。
この妄想癖の根本には「過去と同じ経験をしたくない」という恐れがあります。
過去と今は別物であっても、トラウマ体験と似た要素を見つけると、たちまち回避行動をして妄想に逃げたくなるように。
そのため、トラウマを抱えていない周囲からすると、何を回避しているのか不明だからこそ、不自然な言動が目立ちます。
人間関係は心の安定を保つために不可欠です。孤独を好むタイプの人でも、ある程度心の支えがないと本来の力が発揮できません。
人間関係が上手くいかないと、「存在意義」を見出すことが困難に。
人は社会の中で何かしらの役割を担うことで、「自己の重要性」を再認識できるのです。
人間関係でフラストレーションを抱えると“自分という存在”が揺らぎ、妄想によって欲求不満や欠落感を埋め、「存在意義」を見出そうとします。
妄想癖とは「ストレスに適応する」のための反応の一つ。妄想すること自体は悪くありません。
しかし、妄想癖に問題を解決する力がないのも事実です。
問題と向き合う準備のために、妄想でストレスを受け流す。
物事をポジティブに捉えてモチベーションを上げるために妄想する。
こうした上手な「妄想癖」の使い方をして、現実世界も豊かにできるとベストです。
妄想癖に頼りすぎると、本来解決できるはずの問題すら乗り越える機会を失うことに。
人には問題を解決する力があります。
妄想で遠回りしてもいい。辛い時は休憩したり人を頼っていい。
でも、自分自身を信じて現実と向き合った先に、本当の幸せが待っています。
自分のペースで大丈夫なので、一歩ずつ自己実現へと足を踏み出しましょう。
妄想癖が強くなりすぎると、次第に現実の息苦しさが増し、自分を追い込んでしまいます。
妄想癖と上手に向き合うために、治し方を知りたい。
妄想癖を和らげて自然体で生きたい。
こうした考えを持つ人に向けて、「自分をしんどくする妄想癖」を治す方法を解説していきます。
「自己否定」や「自己嫌悪」する必要はありません。劣等感や欠落感は、妄想を加速させる原因の一つです。
まずは自分自身が優しく寄り添って、安心感で満たしましょう。
プラスな妄想は「夢」や「希望」になります。行動や努力を重ねて、妄想を具現化してみましょう。
例えば「年収1000万円稼ぎたい」のなら仕事にとことん打ち込む、「容姿端麗な恋人が欲しい」なら自分磨きを重ねるなど。
実現のための努力は自己成長を促して人生を豊かにします。
もし妄想が「現実逃避のようなマイナスな思考」なら、ある程度の段階でストップをかけましょう。
妄想癖が始まった時には「この妄想って現実だとどうかな?」と客観視できるとベストです。
時には「ネガティブな未来」を妄想する場合もあります。
不安を感じやすい人は、将来どうなるか事前に予想して、大きな失敗を回避する思考が備わっているのです。
ところが、この反応が強くなりすぎると、現実世界が不安で染まります。
悪い「もし」を妄想しそうになったら、一旦思考を止めて他事に熱中しましょう。
頭の中でグルグルと同じ思考が巡る時は危険信号です。抜け出せなくなる前に、問題を客観的に整理したり、別の解決法を試みましょう。
妄想は「自分目線の願望」なので、他人目線で共感できるとは限りません。
他人から否定されれば現実世界がどんどんハードモードに。口に出さずとも、周囲の気持ちに反した言動が増えます。
孤立して自分を追い込まないためにも、「他人から否定される妄想」は意識的にやめましょう。
そうすることで、プラス効果のある妄想だけが残り、結果的に「生きやすい毎日」に繋がります。
また、周囲と摩擦が生じた時は、NGな妄想を知るチャンスと捉えましょう。
妄想癖がある人は、一日の多くの時間を「妄想」に費やす傾向があります。
今まで妄想に向けていた時間を、「読書」「映画鑑賞」「友達との食事」「イベントへの参加」「ゲーム」などの楽しいことで埋めてみましょう。
人は何もすることが無いと思考がグルグル回ります。
妄想癖とは「孤独」や「退屈」を埋めるための反応でもあるのです。
妄想癖を治すためには、充実した時間を増やすように意識してみましょう。そうすると、妄想する瞬間が自然と減っていきます。
妄想癖がある人は、もともと創造的な思考回路を持っているため、むやみにストップすると辛くなります。
そのため、まずは自分の妄想癖を受け入れて、「ONとOFFをコントロール」できるようになるとベスト。
無意識に妄想が膨らむ人は、「瞑想」を習慣化することが効果的です。思考をOFFにして今の自分に目を向ける練習をしましょう。
妄想の使い分けさえできれば、妄想癖は強い武器になります。
妄想は決して悪いものではない。自然な人の反応の一つ。
現実主義だけでは乗り越えられない壁がある。
妄想を取り入れることは、現実世界を生きるうえで「チャンス」にもなり得るんだ。
足元を見てばかりでは速く走れない。
速度を上げて駆け抜けるには、遠くを見つめる必要がある。
現実は「足元を見ること」、妄想は「遠くを見ること」のような関係性といえる。
現実逃避しそうになったら、胸に手を立てて「自分の本当の望み」を見極めてみよう。
妄想癖に頼りすぎると真実が見えなくなる。転ぶのが怖くて、歩みをやめてしまうんだ。
私たちには未来を切り開く力がある。一人では無理なことも、仲間と一緒なら乗り越えられる。
自分の力を信じて、勇気を出して前へ進もう。
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。
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岡 あい
妄想の中では「自由」になれる。でも深入りは危険かも。