2020.03.17
いつも思ったように物事が進まない。
予想外の事態が起きては、期待と違う結果に行く着く。
そんな中、「ロジカルシンキング」という言葉に興味を引かれた。
効率的な判断をするには「ロジカルシンキングを取り入れると良い」といわれている。
正直、今の仕事は情報量が多すぎて、頭がオーバーヒートしている。
頑張って考えるだけでは“解決できない問題”が山ほどある。
どこから手を付ければいいかわからなくて、パンクしそうなんだ。
キャパオーバーしている人ほど、「ロジカルシンキングを取り入れるべき」と聞く。
どうやって問題を整理して、何を基準に解決へと導けばいいのか知りたい。
難しそうなイメージがある「ロジカルシンキング」を、わかりやすく教えて。
ロジカルシンキングとは、「ロジック=理論」「シンキング=思考」の二つが組み合わさった言葉。日本語訳すると「理論的な思考」という意味です。
ロジカルシンキングをする時は「感情」や「願望」を切り分け、目の前の出来事をフラットな視点で分析します。
なぜその問題は起きたのか?原因は一つなのか?
似た事例から共通点は得られないか?最善の解決方法は何なのか?
問題解決に向け、ロジカルシンキングを使って分析・提案することで、「ブレない行動力と結果」を伴うのです。
リーダーや役職といったポジションを担う人ほど、ロジカルシンキングはとても大切。様々な人の意見と実際の現象を、上手に切り分けることができると、リーダーシップを発揮できます。
ロジカルシンキングとは、大きく分けて「帰納法」「演繹法」「弁証法」の3つの手法があります。
問題の種類や情報の質・量によって、この3つの手法を使い分けることで、より的確な判断へと繋がるのです。
どこから手を付ければいいかわからない。
分析しようにも、何を基準にすればいいの?
こうした悩みを抱える人は、3つの思考を身に着けると手詰まりな状況を突破しやすくなります。
それでは、具体的にどのような手法なのか見ていきましょう。
帰納法とは、多くの実例を集めて「共通点」を見つけ出す思考法です。
誰かに説明する際も、たくさんのサンプル数から導き出した結論とわかれば、説得力が増して納得されやすくなります。
この際、偏った実例ばかりを取り上げたり、無理に共通点を導き出すと、事実とは違った結論に行きつくことも。
複数の情報源から実例を取り入れると、偏りは軽減されます。また、「情報の信ぴょう性」や「公平性」にも目を向けましょう。
良い事例を収集できれば、良質なデータとして活用できます。
演繹法とは、既にあるルールやセオリーに当てはめて仕分ける思考方法です。
既に方針が決まって一般化されている問題なら、演繹法を使って安全に結論を導き出すことができます。
中には“前例がない問題”に対して、無理に演繹法を当てはめてしまうケースも。これは「知っている情報しか受け入れたくない」という心理の表れなので、正しい解決法を見誤る原因になります。
今まで培ってきたノウハウや前例を活かして、新しい取り組みの失敗リスクを減らしたい時などに、演繹法は有効です。
弁証法とは、ドイツの哲学者ヘーゲルが考えた、哲学としての特性が強い思考法です。
対立する物事をテーゼ(肯定)とアンチテーゼ(否定)に分け、二つの物事の矛盾を深堀することで、第三の解決方法導き出します。
例えば「AとBの意見が噛み合わない」としたら、「AとB両方の問題を解決できるCという意見」を新たに生み出すのが弁証法です。
物事が複雑化している時は、弁証法を用いることにより、コンパクトにまとめられる可能性があります。
ロジカルシンキングを取り入れると、短時間のうちに正確な解決方法を見つられるようになります。
仕事などの時間に制約がある問題や、失敗した時のリスクが大きい決断では、ロジカルシンキングを取り入れた方が効率的に回るのです。
また、忙しくなったり情報量が増えてくると、気合いや経験則だけでは解決できない問題も増えるため、理論的な思考が求められます。
それでは、ロジカルシンキングにより生まれるメリットを、さらに具体的に見ていきましょう。
ロジカルシンキングで正しい結論を導き出すには、今ある情報を分析する能力が問われます。
この分析力は、何度も思考を重ねて試行錯誤することで鍛えられるもの。
日頃からロジカルシンキングができている人は、思考がトレーニングされて分析力が上がり、効率的な選択ができるようになるのです。
最初から急にロジカルシンキングをするのは難しいもの。ですが、普段からロジカルシンキングを試みている人は、同じ経験をしても違う成長を遂げることができます。
ロジカルシンキングを繰り返すことで、問題解決力が鍛え上げられ、物事が思うように進み始めます。予想外の事態に振り回されたり、期待と違う未来に落胆する可能性が軽減されるのです。
問題解決力が身につくと、仕事もプライベートも有意義なものになります。
ちょっとした判断ミスで損したり、手間が増えている事柄は案外たくさんあるもの。ロジカルシンキングを取り入れることで、自分のパフォーマンスを最大限まで引き上げられます。
ロジカルシンキングの最大の目的は「解決法を導き出すこと」です。理論的思考を巡らせることで、現実的な解決策を考えられるようになり、提案力が養われます。
意見を聞かれると、何が正解かわからず黙ってしまう。
モヤモヤしながらも、会議では何も言えない。
こうした悩みを抱える人は、おそらく物事の本質を深く思考できていません。ロジカルシンキングを癖づけることで、提案力が向上して対等に意見交換できるようになります。
意見がないから、とりあえず「YESマン」になっている。
何が正解かわからないから、無難な受け答えをしてしまう。
これに対して、ロジカルシンキングが身についていると、「目的」がハッキリします。そして、最善のコミュニケーションを取れるようになるのです。
チームプレーをするうえで、理論的に物事を捉えることはとても大切。感情と理論を切り離すことで、正しい立ち回りや人の動かし方がわかってきます。
ロジカルシンキングは「解決速度」と「正確性」を各段に引き上げます。これにより、作業効率が飛躍的に伸びるように。
大量の仕事をこなしたり、膨大な情報量を仕分けるには、ロジカルシンキングを取り入れることがカギになります。
どれだけやっても仕事が終わらない。
今よりも高みを目指したい。
そう考える人にとって、ロジカルシンキングはあらゆる決断の基盤になり、作業効率を支えてくれるのです。
フレームワークとは「枠組み」や「骨組み」という意味の言葉。いきなり思考を始めるよりも、全体像を整理してから思考した方が、ロジカルシンキングの効果が正しく発揮できます。
そこでここからは、ロジカルシンキングをするうえで実用的な「思考に関するフレームワーク例」をご紹介。
問題に直面して「どうしたらいいかわからない」時は、今からご紹介するフレームワークに当てはめて書き出してみましょう。
そうすることで、ぼんやりとしていた問題が明確に見えてきます。
“ピラミッドストラクチャー”とは、伝えたい「結論」に対して、複数の「根拠」を紐づけるフレームワークです。
ピラミッドの一番上に一つの「結論」を置き、その下に「根拠」を並べてみましょう。
「この結論が正しい」といえる「根拠」が多ければ多いほど、「結論」に説得力が増します。
さらに、「根拠」の下に「根拠を支える情報」を記載すれば、より理論的な思考が組み立てられるように。
「根拠」が極端に少ない場合、その「結論」はまだ不確実な可能性があります。
“要素分解ツリー”は、一つの事柄を構成する要素を次々と仕分けていくフレームワーク。
例えば「人」は「男」と「女」の二つに仕分けることができます。それをさらに、「20歳未満」「20代から40代」「50代以降」の3つに分類することが可能。
このように、思考したい事柄の要素を枝分かれさせて細分化すると、どんな問題なのか全体像が見えてくるのです。
また、情報を収集したり前例を探す際も、“要因分解ツリー”を使うことで、より適した事例を探し出すことができます。
“原因究明ツリー”は「WHYツリー」とも呼ばれます。
これは問題に対して「なぜそうなっているのか?」という視点で、物事を分解していくフレームワーク。
理論的に原因を探す際に効果的です。
まずは考えられる原因を思いつく限り書き出してみましょう。書き出した原因に対して、さらにその原因を書き連ねていきます。
そして最後に、書き出した原因の「根拠」を分析・検証し、最も「確実」な原因と解決策を選び出すのです。
“イシューツリー”とは「仮説(=イシュー)」を立てて、それに対して細かい論点に分けていくフレームワークです。
問題に対して1つの解決法を仮説として立てて、それを実践するための行動を書き連ねていくイメージ。
どうすればいいのか具体的に書き出すほど、手づまりな状態を打破できるようになります。
ツリーを書き出したら、導き出された「手段」が本当に効果的かどうか、しっかりと検証しましょう。最も有効と思われる「手段」を実行することで、より安全に問題へアプローチできます。
ロジカルシンキングを紐解いていくと、「全てのことを解決できる万能なツール」かのように思えます。
ところが、ロジカルシンキングに“とある問題点が潜んでいる”ことも、念頭に置かなければなりません。
人には「感情」があり、時には理論的な思考を覆します。
理論を重視するあまり反感を買ったり、人の感情が生み出す不測の事態に適応できなくなることもあるのです。
また、人によって「理論重視」か「感情重視」かで分かれるもの。「感情重視」な人と上手に関わりたい時に、理論を当てはめすぎるのは禁物です。
ロジカルシンキングは、大きな問題や膨大な情報量を効率的に片付けるための手段。
必ずしも“人の心に寄り添える”とは限りません。
メリハリをつけて自由な時間を手に入れたい。
仕事のパフォーマンスを最大限に引き上げたい。
このプロジェクトを何としても成功させたい。
そう願う人にとって、ロジカルシンキングを取り入れることが、実現へのきっかけになり得る。
限界を感じて辛いのであれば、ロジカルシンキングを取り入れると楽になるかもしれない。
ところが、ロジカルシンキングは必ずしも万能とはいえない。
人の思考は簡単ではないから、理論的な思考を持ちながらも、感情に寄り添う必要があるんだ。
コミュニケーションを密に取って信頼関係を構築する。
相手の意見を否定せず、しっかりと受け止めて共感を示す。
こうした「感情へのアプローチ」を組み合わせながら、ロジカルシンキングを上手に活用してみよう。
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。
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