2020.03.05
一生懸命に仕事をしても、社会人になると誰も自分を褒めてくれない。
家事をこなして美味しい食事を提供しても、それは当たり前のことだ。
一緒に暮らしている家族にとっては日常の一コマ。称賛の言葉なんか得られない。
忙しい毎日に必死にしがみついている。でも、誰も自分を認めてはくれない。
私は特別でもなんでもない、平凡な人間。ただ息をしているだけの、ちっぽけな存在です。
それでも時々願ってしまう。
「あなたがいてくれてよかった」そう誰かに声をかけてもらえることを…。
私はちゃんとここにいるよね?誰かに必要とされて生きてるって感じたい。
この気持ちを自己承認欲求っていうのかな?
胸の奥で静かに燃え続ける認知欲求を打ち消すことはできない。
誰かに満たして欲しくてたまらないんだ。
自己承認欲求と聞いても、難しい響きで意味がわからない人もいるでしょう。
他者承認欲求との意味の違いも、説明するとなると難しいもの。
それを理解するためには、まず「承認欲求」という言葉の意味を理解する必要があります。
自分の存在意義を認められたいと願うこと。それこそが承認欲求です。
自己承認欲求とは、自分の存在が自分の理想像と重なることを求める感情のこと。
他者承認欲求とは、他者から自分の存在を肯定してほしいと願う願望のこと。
どちらも共通した認知欲求ですが、その意味はまったく違います。
人間の欲望を5段階とすると、承認欲求は4段階目にあたります。人間にとっては比較的、高次な欲望なのです。
承認欲求が満たされないと不満が高まり、生活の質が下がる恐れもあります。
承認欲求が強い人には特徴があります。
身近な例で言えば、常に自分が周囲からどう見えるのかを気にしていること。
SNSで自分をより良く見せるために必死だったり、自分を盛って見せたがる癖があります。
強すぎる認知欲求は、自分自身を苦しめることになります。SNSで誰かのいいねを求めるあまりに、本来の自分を見失うこともあるでしょう。
ここからは、承認欲求が強い人の特徴を具体的に見ていきます。
自分は自己承認欲求が強いのではないか?そう思ったことがある場合、ぜひチェックしてみてください。
認知欲求が強い人は、プライドが高い一面をもっています。
「自分はもっとできる人間だ。周囲からも認められている」理想を追い求めるあまり、意識高い系の発言が飛び出すことも…。
強い自己承認欲求を満たすために、等身大の自分よりも背伸びをした発言が増えてしまうのです。本人に悪気はまったくありません。それは、よりよい自分を演出するための装飾なのです。
周囲からすれば、少し扱いづらい人だと思われることもあるでしょう。
認知欲求が強い人は、自分の価値を他者との差によって測ろうとします。
自分が得意な教科で点数を競おうと試みたり、給与の額で自分が優れていることを誇示しようとします。
しかしそれは、本人にとっても非常に苦しいことでしょう。
世界で一番にならない限り、永遠にライバルがいる状況です。他者に挑み続けるには相当タフでないといけません。自己承認欲求を満たすために、いつも気が抜けないでしょう。
負け戦を避けるために、自分の得意分野でのみマウンティングする場合も…。そのため、周囲から面倒くさい人だと思われることがあります。
自分が最も愛されるべき存在。そう信じることで認知欲求を満たしていると、嫉妬深くなります。
例えば職場で、最も人気者だった人がいるとします。
新人の可愛い子が入ってきて、自分の立ち位置が脅かされそうになるとどうなるでしょうか?
認知欲求が強いタイプなら、突如として嫉妬心を剥き出しにするでしょう。自己承認欲求を満たすには、常に自分が一番でないといけないからです。
自分の居場所を必死に守ろうとするあまり、ライバルに冷たい態度を向けてしまうことも…。敵意を向けられた方は、自分が嫌われていると誤解してしまうでしょう。
認知欲求を満たすために、常に自分が目立つ存在であろうとします。
クラスで最も面白い人を目指す場合もあれば、勉強で一番を取ろうとする人もいるでしょう。どんな形でもいいから、周囲と差をつけたいと考えています。
目立つことができれば、先生や親に褒められ、友人たちからも尊敬してもらえるからです。
努力を重ねれば良い意味で目立つことができますが、それができないと悪目立ちしようとする場合も…。方向性を誤って、非行に走ってしまう人もいます。
誰かに認めてもらえたと実感するために、自慢話をすることがあります。
認知欲求を満たすのに必死で、自分の成功体験ばかり語るのです。
自慢話をされる方は、優しさからお世辞を言ってくれることもあるでしょう。それを間に受けて、調子に乗ってしまう人も…。
自慢話ばかりされると、相手が不快に感じることもあります。称賛や同意を繰り返し求められると疲れるのです。
自己承認欲求を満たすために、他人を利用しないようにしましょう。
スクールカーストの上位グループに属していると、それだけで認知欲求が満たされます。
自分は特別な存在だと感じることができるのです。
そのため、認知欲求を満たす同じグループの仲間を大切にします。仲間意識が強くなるほど、周囲との違いも感じやすくもなるでしょう。
友人を大切にするのは素晴らしいことです。しかし、自分を目立たせることを優先した友達付き合いは、真の友情とは呼べません。
常に周り人の顔色を伺っていませんか?
自己承認欲求が強いと、他人に嫌われた瞬間に自分の価値が下がると錯覚してしまうことがあります。
そのため、嫌いな人にも尽くしてしまうのです。
本音を飲み込んで、認知欲求を満たす偽りの自分を演じています。他人に拒絶されたり嫌われたりすることを、極度に恐れているからです。
しかし、世界中の人に好かれることは不可能といえるでしょう。結果的にいつも疲れ果てて、ストレスを抱えることになるのです。
自分はどうしてこんなに自己承認欲求が強いのだろう?
そんな風に悩んでいたら、その原因について考えてみましょう。
認知欲求が強い人は、自己肯定感が低い傾向にあります。
簡単な言葉で言えば、自分に価値があると感じられないのです。
そうなった原因の一つは、幼少期の環境や遺伝です。
親からたくさんの愛情を受け、周囲の人々に守られて育つと、自己肯定感が養われます。
何らかの理由でその経験が損なわれると、満たせなかった承認欲求を持て余すようになるのです。
そのため、大人になってからも自己承認欲求が強くなります。
胸のなかに抱えこんだ、自信のない小さな自分。癒しきれずに本人も困っています。
承認欲求の強い人自体には何の罪もない。どうしようもできないことなのです。
ここからは、他者承認欲求について考えてみましょう。
他者承認欲求が強い人は、自分で自分の価値を決められません。
常に誰かの顔色を伺い、周りに求められる自分を演じてしまいます。
しかし、冷静になって考えてみてください。
誰かに認めてもらえない自分は、本当に価値がないのでしょうか?
称賛されるようなことができなくても、自分は自分です。
他者のなかには、悪意ある人間も紛れている可能性があります。
頼りない誰かの声を物差しにして自分の価値を決めるのは、正解といえません。
自分の他者承認欲求を、一度見つめ直す必要があるでしょう。
強すぎる承認欲求は、自分自身を苦しめることになります。しかし、幼少期から培われた考え方をすぐに変えるのは難しいことでしょう。
自分も気がつかないうちに、承認欲求を満たすような行動をとっています。
承認欲求をうまくコントロールするために、対処法を考えましょう。
ここからは、具体的な対処法を5つご紹介します。
できそうなものを見つけて、日常生活で実践してみてください。
好きなことを突き詰めている間は、余計なことを考えません。自分自身の評価を考えるよりも、好きなことに没頭してしまうからです。
世間で評価されていなくても、値段がつかないようなものでも、好きという感情は簡単に否定できません。
好きなことに巡り合えた瞬間、人は初めて承認欲求を忘れることができます。
認知欲求よりも強い「好き」という感情に救われるのです。
どんなにくだらない小さなことでもいい。自分の好きなことを見つけてみましょう。それにはまだ名前がついていない可能性もあるでしょう。
他人と比較する人生は窮屈で、無駄にストレスが溜まります。「自分は自分」という考えで生きていれば、人生はもっと楽になるのです。
大勢のなかで目立つ自分や、友人よりも優れた自分を演じることはありません。
気づいていないだけで、周囲の人とは違う長所が自分にもちゃんとあるのです。
勉強ができなくても、スポーツが苦手でも、自分という人間を必要としてくれる人はいます。そう考え、少しだけ肩の力を抜いてみましょう。
SNSでは常に自分を盛っている。どんな時も油断はできない。
人気者でいつも明るく、可愛くて必要とされるような存在でいなければ…。
そんな考えとは裏腹に、心の奥で本当の自分が泣いていませんか?誰とも違う自分は、それだけで十分価値のあるオリジナルな存在です。
ありのままの自分を認めたら、一歩前進できるでしょう。自己承認欲求に振り回されない自分に近づけます。
認知欲求に振り回され、特別な存在でなければいけないと自分に呪いをかけていませんか?
この世には、ごく一部を除いて普通の人ばかり…。全員がモデルや有名人にはなれません。それは辛い現実ですが、そんななかでも特別な存在を目指して努力している人たちがいます。
前向きな考えで努力するというのは、とても素晴らしいこと。
でも、頑張り過ぎて苦しくなったら、完璧な人はいないということを思い出してみましょう。肩書きや名誉がなくても、幸せに生きている人はたくさんいます。
安心して普通な自分を受け入れてあげましょう。
自己承認欲求が高くなると、無い物ねだりになりがちです。
十分恵まれた環境に身を置きながらも、隣の芝生が青いと常に羨ましがるのです。たくさんの人と関わり、多くの情報を得ることで、欲求は増長されていきます。
広い世界を知るのは良いことですが、自分の世界を尊重するのも同じくらい大切なこと。
冷静に考えると、なかなか悪くない生活を送っているのではないでしょう?
本当に豊かな人とは、自分の手にしたものだけで満足できる人を指します。
高みを目指す前に、現状の幸福に感謝できる人になりましょう。
ここからは、承認欲求にまつわるNG行動をご紹介します。
自己承認欲求が強い人が、認知欲求を満たすために自然とやってしまうことです。具体的な5つの行動を紹介しますので、チェックしてみましょう。
やってはいけないと急に言われても、人は簡単にやめることはできません。しかし、NGだと知っているだけで意識して生活することはあります。
NG行動を少しずつ減らしていけば、自分の考え方も変化するでしょう。
自分を押し殺してまで他人の評価を気にする必要はありません。周囲の顔色ばかり伺ういい子ちゃんは今日卒業しましょう。
誰かの評価に左右されると、自分が本当にしたいことがわからなくなります。
おすすめは、何かを選択する際に自分のルールを設けること。
例えば周りにどう思われようとも、自分自身が楽しいかどうかを判断基準にするなど…。
誰かの声に惑わされそうになっても、自分のルールを貫くようにしてください。そうすることで、自分を押し殺すことが減っていくでしょう。
自己承認欲求と上手く付き合うために、自分で自分を認める練習をしましょう。もしも今、誰かに褒めることを強要しているなら、それをやめるのです。
自分の努力を心から認めてあげられるのは、自分自身です。
何かを成し遂げた時、思いっきり自分を甘やかしてあげましょう。ご褒美を設定してもいいですし、ひとりで思う存分余韻に浸ってもいい…。
なるべくわかりやすい形で、自分を称えてください。
他者を褒めない人は、なるべく相手を褒めるよう心がけましょう。
人は相手にされたことを無意識のうちに返そうとします。これをミラー効果と言います。
自己承認欲求を正常に保つには、自己肯定感を高める必要があります。そのために、他者から褒められることもある程度必要なのです。
褒めてほしい時には、まず自分が相手を褒めるようにしましょう。そうすれば、相手も自分の良いところを見つけて褒めてくれます。
たとえお世辞でもいい。この積み重ねが自己肯定感を養っていくのです。
自己承認欲求に囚われた結果、他者への気遣いを疎かにしていませんか?例えば、自分の自慢ばかりで相手の話を聞かないなどです。
自分勝手な態度を続ければ、周囲の人から大事にしてもらえなくなるでしょう。
周囲の評価を気にする前に、できることがあります。誰かを蹴落とすよりも先に、まずは相手を気遣うことです。
親切にしてくれた相手に、人は好意を示します。誰かに好かれることで自己肯定感は高まるでしょう。
その結果として自己承認欲求も満たされるのです。
自分だけが秀でた存在になりたい。特別な人だと周囲に知らしめたい。
自己承認欲求を満たすために、独りよがりな行動をするのはやめましょう。全部一人でやり遂げようとしても、それは難しいことです。
せっかく力を貸そうとしたのに断られれば、周りも良い気はしません。そうして、知らないうちに自分の敵を作っているのです。
たまには甘え上手になってみませんか?素直に助けを求めれば、手を差し伸べてくれる人がいます。
他人と協力することで、人との適切な距離感や関係について学ぶこともできるでしょう。
自分で自分の価値を認められない。自信が持てず、常に周囲の声や視線が気になる。
自己承認欲求を満たし続けるのは大変です。周囲から嫌味な人だと誤解されることだってある。
「自分のために誰かがいる」とするのは傲慢な考えです。
自己承認欲求を満たすためだけに他者と関わること自体が、そもそも自己中心的な考えです。
人は誰かのためだけに生きているわけではありません。誰もが自分のために生きる権利をもっています。
等身大の自分を認め、どうか愛してあげてください。自分の生き方を肯定してあげれるのは、自分だけだから。
誰かに否定されても、大勢から称賛されなくてもいい。もう少し楽に構ましょう。
自由に生きる自分にもちゃんと価値はあるから…。
そのことをいつまでも忘れないでください。
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。
人に話せない悩みも、今まで居場所がないと悩んでいたことも全て、ここでなら話せる。自分が一歩を踏み出せば、世界が変わる。
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