2020.02.28
この家に私の人権はない。
毒親に否定されるのが辛くて、自分の意見を押し殺すようになった。
毒親が怒り狂うのが怖くて、相手の機嫌をうかがいすぎるようになった。
それでも毒親と関わり続けてきたのは、少なからず期待を抱いていたから。
親は特別な存在。他の誰にも代えられない。
どんなに酷い仕打ちを受けても愛されたかった。
幼いながらに親のわずかな愛情を求めて、傷ついても無理矢理歩いてきた。
でも、もう限界みたい。心の中が空っぽなんだ。空っぽなのに絶望感が支配している。
望んだ未来は訪れないと悟りながら、期待を支えに生きてきた。
そして、心身ともにボロボロになって、無理すらできなくなった。
自分を守るために毒親と絶縁したい。
毒親と絶縁する方法を教えて。
絶縁したらその後、どんな未来が待ってる?
「毒親」とは、暴言・暴力・過干渉などにより、子供をコントロールしようとする親を意味する言葉です。
毒親の性格が急に変わって落ち着くケースは少なく、辛い気持ちを抱え込んだ子供は、次第に「毒親と絶縁したい」と感じるようになります。
「毒親」という言葉の定義は曖昧。なぜ自分が「絶縁したい」と感じるか、気持ちがわからず上手に言葉にできないことすらあります。
まずは、「絶縁したい」と感じるほどに子供を追い詰めてしまう”毒親の特徴”を見ていきましょう。
子育てに対して不安を感じていると、一貫性のない行動が増えます。
子供の意思を受け止めたり、良い方向へ導く余裕がないのです。
夫婦間の協力体制がなく頼れる第三者もいないと、この傾向は強くなりがち。子育ては簡単なことではないため、時には誰かを頼る必要も出てきます。
また、自分自身に不安定な要素があると、子供のネガティブな言動を受け入れられません。その結果、毒親は暴言・暴力・無視といった行動で、子供の言動を無理やり押さえ込んでしまうのです。
毒親は自分の価値観を押し付け、子供が本来持っている価値観を受け入れない傾向があります。
子供が反論するから怒って黙らせた。
自分が良いと思うものは、子供にとっても良いに違いない。
どれも、子供のありのままの思考を止めて、受け身な状態を意図的に生み出しています。その結果、子供は自分の価値観を肯定できなくなるのです。
毒親は子供の価値観を尊重したコミュニケーションが取れず、悪気なく自分の価値観を優先してしまいます。
毒親の過干渉や暴言・暴力の裏には「思い通りにしたい」という心理が隠れています。ところが、毒親が望む「理想的な子供の姿」が必ずしも子供の望みとは限りません。
親に認められるには、本当の自分を押し殺さないと。
ありのままの自分では愛されないんだ。
こうした感覚を子供へ植え付ける原因になるのです。自分らしく生きられない子供は、いつまでも心に大きな虚無感を背負うように。
「自分の人生を歩みたい」と感じた時、次第に子供は「毒親と絶縁しよう」と思い立ちます。
人にはそれぞれ個性があって、思うように行動してくれなかったり時には衝突するもの。その中で他人との違いを受け入れられると、お互いの個性を尊重できるようになります。
ところが毒親は、子供の個性を尊重できません。不快に思ったりイライラしたり…。どうしても理解できないと、無理矢理個性を矯正したくなるのです。
毒親の思い通りに変わったとしても、それは子供が自分を押し殺しただけ。心のどこかで辛い気持ちを抱え、いずれ我慢した反動が表れます。
責任感が強すぎる親は、「厳しさ」で子供を傷つけてしまうリスクがあります。
親にとっては「良かれと思って」の行動が、子供にとっては苦痛なのです。
また完璧主義や世間体を気にする性格も、子供への対応が厳しくなる原因になります。
子供は失敗しながら物事を学んでいくため、最初から完璧には振る舞えないもの。「ちゃんとしないと」という親の意思は、ありのままの成長を妨げるプレッシャーになり得ます。
毒親とわかり合うことはできない。だから、もう絶縁しよう。
生まれる環境を選ぶことはできません。毒親との関わりで自分の人生が狂うのであれば、「絶縁する」という選択肢もあります。
では、「絶縁」とは具体的にどんな意味なのか?
親との関係性には「家族としての関わり」と「法律上の繋がり」があります。
親と二度と会うことはないし、連絡を取ることもない。
もし偶然対面したとしても赤の他人として対応する。
これが「家族としての関わり」を断つ絶縁です。ところが、二つ目の「法律上の繋がり」は切ることができません。戸籍上は親子として記録され続け、相続の権利が発生します。
虐待を理由に絶縁する場合は命の危険から守るための措置で、第三者から戸籍上の情報を閲覧できないようにすることも可能です。
例え毒親であっても、親との絶縁にはリスクが伴います。本当に絶縁するのであれば、事前にリスクを理解して受け入れることが大切です。
まず、「親族と絶縁している」となると保証人が限られます。
社会的信用が得られる仕事や収入を確立して、保証会社を利用しましょう。
様々な場面で「緊急連絡先」が必須になるため、理解のある友人がいると安心です。入院の時なども「緊急連絡先」や「身元引受人」が必要になります。
また、雑談中に親に関する質問を受けたり、結婚相手の家族から説明を求められることも。中には絶縁を理解できず意見する人もいます。
絶縁した後に必ず明るい毎日が待っているとは限りません。ですが、こうしたリスクを受け入れたなら、後は前進あるのみ。
後悔だけは残さないようにしましょう。
ここからは毒親と縁切りするための方法を、ポイントを押さえながら解説していきます。
「縁を切る」「絶縁する」とはいっても、どの程度が適切かは人によって異なるもの。完全に縁を切らなくても、程よい距離感が掴めれば良い方向に進むケースはあります。
重要なのは「縁切りをきっかけに変化を起こしたい」という気持ち。良い変化へと近づけるため、自分にとって最適な毒親との縁切り方法をチェックしてみましょう。
毒親は精神に大きな影響を与えます。依存し合って離れられない「共依存」という状態に発展していることも。
共依存になると「現状を変えるのが怖い」と感じるため、恐怖を振り払って精神的に距離を置く必要があります。
毒親の要求を真に受けたり反応しすぎず、自分の意思を大切にしましょう。
「自分はどうしたいのか」を基準に生きることが重要です。
自分の意思がわからない時ほど、自我を育てるためにも精神的に距離を置く必要があります。
同じ家に住んだり定期的に対面すれば、何度でも心が揺らいでしまいます。
まずは物理的に距離を置くことが第一。
一人暮らしを始めたり、思い切って遠方へ就職・進学したり、毒親と別居することで安全な居場所を確保できます。
また、別居しても毒親が自分の部屋へと訪問する可能性があるため、明確に「来ないで」と意思表示したり、鍵を渡さないようにしましょう。
心機一転するために転居して、住所を教えないことも一つの方法です。
経済的に毒親を頼っていると、どうしても毒親の意見を受け入れる流れに繋がります。そのため、まずは経済的な自立を目指しましょう。
有利な就職をするために勉強は大切です。さらに、看護学校・工業高校・職業訓練校など、短いスパンで就職に向けた勉強ができる進路もあります。
思い切って興味があった業界へと飛び込むのもアリ。経済的に自立することで、内面が成長したり達成感を味わうきっかけにもなります。
毒親と過ごす時間が多いほど、少なからず「心の支え」にしてしまいます。人は誰かに寄りかかって依存しないと、安心して生きることが難しいのです。
精神的自立を促すには、毒親以外の友人や恋人との時間を優先しましょう。
深い絆で結ばれれば、実家を出て一人暮らしを始めた後も、周囲からのサポートを受けながら生きることができます。
また、長年毒親と過ごすと「自分の意思」や「自分の正しさ」が揺らぐもの。友人や恋人と関わることで視野が広がり、自我が芽生えます。
毒親からの連絡に応えすぎないことも大切。
徐々に連絡の頻度を減らしていき、最終的には連絡を断って、「むやみに連絡しても返ってこない」と認識させる対応をしましょう。
毒親との関わり自体がなくなると、一人の時間が確保されて心の安静を保つことができます。毒親がトラウマになっている時ほど、まずは毒親のいない日常で自分らしさを育てることが重要です。
一緒に暮らしたり頻繁に連絡していた時に比べ、極限まで連絡を減らすだけでも、心への影響は大きく変わります。
精神的・経済的に自立する意味でも、仕事に没頭することは良いきっかけになります。
ポイントは“自分で決めた仕事”であること。毒親は子供の進路や就職にも意見する傾向があります。
ですが、人は人生の大半を仕事に費やすもの。
自分の意思が反映された仕事を選ばないと、いつまでも自分らしく生きられません。
自分で自分の意思を尊重して、「やりたい!」と思える仕事へと飛び込んでみましょう。自分で選んだ道を突き進むうちに、毒親への辛い感情と向き合う余裕にも繋がります。
ここまでご紹介したのは、毒親との関わりを限りなく減らす手法。どう頑張っても改善しなかった時には、最終手段として絶縁しましょう。
命の危険を感じる状況なら、ためらうことなく専門機関を頼って逃げることが必要。
暴力・ストーキングから身を守ってくれるシェルターも存在します。
ストレスで神経症や精神疾患を発症している場合も、自分の健康が最優先です。
一言で「毒親」といっても様々なケースがあります。自分の人生を犠牲にすることだけはないようにしましょう。
実際に毒親と絶縁して、「親がいない人」として偏見を受けたし、たくさんの苦労を重ねてきた。
絶縁した後も毎日毒親が夢に出て怒鳴ってきた。何度もあの辛い光景がフラッシュバックした。
でも、誰にも責め立てられない日常は本当に幸せ。平穏な日々は何にも代えられない。
絶縁した時に「なぜ助けを求めなかったの?」と聞かれた。
何をされても、私にとって親は特別な存在だった。
そして、“自分を大切にする”なんて思考を教えられたこともなかった。
何もかも、わからないことだらけだったんだ。
今なら断言できる。毒親からは逃げても良い。
あなたの人生はあなただけのものだから。毒親の人生は毒親のものだから。
お互いを辛い運命から切り離すために、時には絶縁も必要なんだ。
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。
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