2020.02.18
転職の理由は成長のためではないし、もっと大きな会社で活躍したいという理由とも違う。
そんな前向きな転職理由だったら、胸を張って堂々と面接官に言えるのに…。
今の業界には将来性がないし、仕事内容も全然自分に合っていない。
おまけに、職場の人間関係に不満だってある。
マイナスな理由ばかり。でもそれが、私の本当の転職の理由なんだ。
もしありのままに転職理由を伝えてしまったらどうなるのだろう?
実力も忍耐力もない人間に思われるかな?
それでも避けられない質問。
「あなたが転職を希望した理由は何ですか?」
私は言葉に詰まるだろう…。転職理由をなんて伝えたらいいのかわからない。
そもそも、後ろ向きな転職理由を正直に話す人なんているの?
転職の理由を聞かれた時、どんな風に答えたら悪い印象にならずに済むんだろう。
転職の理由は、社交辞令で聞かれているわけではありません。
面接官が転職の理由を尋ねるのは、ちゃんと意図があるのです。
一つは、転職におけるミスマッチを防ぐこと。
自分の会社で働いてもらうことになった時、同じ理由で転職しないかを見ます。
転職の理由が「仕事の幅を広げたい」という内容なら、ルーティンワークの多い会社だと転職するリスクがあるのです。
そういったことが起こらないよう、会社の社風に合った人物かを見極めています。
もう一つは、求職者の仕事への姿勢をみるため。
「多くの部署を経験して、将来的には幅広く活躍したい」と言えば、「どんな仕事でも前向きに取り組める」と好印象をもたれます。
転職理由は、こだわって考えるべきなのです。
転職したい気持ちは強い。でも、転職理由の伝え方で悩んでいる。そんな人は、転職の理由について考えを深めていきましょう。
想定できない突発的な質問とは違い、転職理由は事前に回答を準備しておくことができます。
では、転職理由について聞かれた時に何と答えるのが正しいのか?ここからは、転職の動機を上手に説明する際の5つのポイントをご紹介します。
参考にしながら、自分の転職の理由をもう一度振り返ってみましょう。
面接で緊張しそうな人には、以下の記事もおすすめです。
思いつきで考えた嘘の転職理由は、深く突っ込まれた時に自分が困ります。
無理をして作り込んだ理由はどこかに矛盾点が生じます。面接官はすぐにその矛盾に違和感を感じ、嘘を見抜いてしまうのです。転職の理由が正直に言いにくいものであっても、全てを嘘で固めずに本当の理由を織り交ぜることが大切です。
また、自分ではなく会社側の理由で転職活動をしている人は、正直に話しましょう。
パワハラやモラハラ、残業代がつかないなど、こちらに否がないなら、隠す必要はありません。転職先に同じ要素がないかどうかを確認できる場合も…。
転職理由を通して、自分が譲れない仕事へのポイントを正直に伝えましょう。
あがり症で面接中に頭が真っ白になりそうな人は、転職理由を暗記してしまいましょう。
転職理由の内容を事前に考えておき、何も見なくても言える状態になるまで練習しておくのです。何度も何度も繰り返すうち、転職理由をすらすらと言えるようになるでしょう。
当日はできるだけ自然に話すように心がけてください。面接は会話形式で進められるものもあります。
一方的に早口で話さないように、間を意識しましょう。慣れてきたら転職理由の一文だけを暗記し、それに追随する質問は即興で答えられるようになります。
転職理由がマイナスなものでも、前向きな姿勢をプラスして伝えることで、面接官の印象を変えることができます。
「転勤が多くて嫌だった」という理由には、「今後は地域に根ざして、末長く働きたい」と付け加えてみましょう。マイナスな転職理由を、今後の仕事ぶりでプラスにしていくのだと思わせるのです。
具体的な行動目標を掲げることで、より信憑性が増します。
例えば、「入社したら地域の文化や地理を早く覚えられるよう、行事に参加しながら市場調査を続けます。そして、3年後には地域の観光案内ができるようになります」と、期限などを自分で設定して伝えるのもよいでしょう。
そうすることで、今後の活躍に期待して採用してもらえる確率が上がります。
将来的に自分がどうなりたいかという目標と、この転職理由がどう繋がるのかを意識して話しましょう。
キャリアアップの目標を具体的に伝えることで、長く働く姿勢が相手に伝わります。転職を一つの通過点として、その先に自分のビジョンがある。面接官に「志が高い人」だと印象づけるのです。
「現状維持ではなく常に成長する意思がある」と感じさせるような理由が伝えられれば、マイナスな印象にはなりません。
また、目標を叶えるために資格の勉強をするなど自主的な努力をすると添えることで、さらに高感度は上がります。目的との一貫性をより相手に感じさせられる転職理由になるでしょう。
前職を不条理な理由で辞めた場合も、できるだけポジティブな表現で伝えましょう。
「個人の売上ノルマが厳しく、残業ばかりだった」という理由を、「個人で動くよりも、チームワークの仕事の方が自分には向いていて、効率性も上がる」と表現すればいいのです。
それだけで、後ろ向きな理由が前向きな理由へと変わります。転職理由の伝え方に気をつければ、結果は大きく異なるでしょう。
伝えることが苦手な人は、自己啓発本を読んだりネットでポジティブな言い回しを調べることをおすすめします。なるべく多くの言い回しをインプットしておきましょう。
自分なりに転職理由を考えてみたものの、マイナスにとられてしまいそうで心配だ。
そんな場合には、転職理由の模範回答を参考にしてみてください。転職の理由には、よく使われる例文が存在しています。
ここからは、転職理由の例文を3つご紹介します。
ただし、この転職理由は誰かと似てしまう可能性もあります。実際に使う時は、オリジナルな転職理由になるよう自分で改良しましょう。
勤務時間にまつわる転職理由は、このように伝えられます。
前職では、朝の9時から深夜になるまで仕事をしておりました。平均すると1日あたり10時間以上は稼働していたことになります。
夜型になると集中力が落ちると思い、出社時間を早めたり、仕事量をチーム内でバランス良く分担したりと工夫をしましたが、人手不足により一人当たりの仕事量が多く、改善が見込めませんでした。体力的に厳しいと思い、退職を決意しました。
こういった理由なら、面接官は好印象をもってくれるでしょう。
誰もが納得するような数字の根拠を示し、共感してもらえるようなエピソードを交えているからです。
努力しても改善できなかったという理由なら、「仕方ない」と納得してもらえるのです。
給料に関する転職理由は、このように伝えることができます。
前職の月収は18万円で、住宅手当もほとんどありませんでした。そのため、ゆとりのある生活を送れていません。
昨年結婚し、将来的に子供が生まれることを想定して、収入をアップさせる必要があると感じました。
非常にシビアな現実を理由として挙げれば、否定的にはとられません。
プライベートなエピソードと絡めて話すことで、面接官は共感を抱きやすくなるでしょう。お金に関する話をするのに抵抗がある人もいますが、明確な給与額を提示して話した方が説得力が増すのです。
キャリアアップに関する転職理由は以下の通りです。
これまで営業というポジションでお客様に商品をご案内して参りました。そのなかで、お客様から「もっとこんな商品があれば…」というご要望をいただくことが多く、自分自身も商品の品質向上に繋がるようなアイディアを思いつくようになりました。
社内の企画会議でそれを提案し、結果的に商品化に結びついた経験があります。こういった長所を、商品開発力の強い御社で活かしたいと考えるようになりました。
前職の経験から、キャリアチェンジを考えるようになったという理由を伝えましょう。
注意点としては、転職理由と志望動機が重ならないようにすることです。志望動機は転職理由にさらに肉付けをして、仕事内容の詳細を話すようにすることで区別できます。
ここからは、言わない方がいい転職理由を7つご紹介します。下手に理由を伝えれば、自分の印象を下げてしまうことになりかねません。
自分の転職理由がこのあとご紹介するどれかに当てはまっていたら、転職理由の見直しをしてみてください。
転職理由の表現方法を少し変えるだけでも、ずいぶん印象は変わるものです。どういった転職理由がNGになるのかを知ったうえで、修正してみましょう。
「前職では運転が下手すぎて、外回りができませんでした。」こんな風に、自分の弱点をさらけ出すような転職理由はやめましょう。
正直に話すことで好感を抱いてくれることもありますが、そうとは限りません。次の業務に関係がない些細な失敗談も、マイナスイメージにつながる恐れがあるのです。
「弱点を直せなかった努力が足りない人」と思われないよう、転職理由に失敗談を盛りこむのは控えましょう。
明確な理由もなく、なんとなく転職したいという人は注意が必要です。
面接官は、責任感を持って業務に携われるかをチェックしています。
転職理由を質問された時に、はっきりとした理由を伝えられないと「目的達成能力が低い」と思われてしまいます。人によっては、責任感がないと見なす場合も…。
はっきりとした転職理由を決めてから、面接に臨むようにしましょう。
転職理由がたくさんある人は、忍耐力がないと思われる場合があります。
会社は組織なので、全てが自分の思い通りにいくわけではありません。
社長や個人事業主でない限り、納得がいかなくても指示通り行動することを求められる場面もある。それが、組織の一員としての務めでもあるのです。
そのため、不満をたくさん抱えている人は、扱いにくいと判断されてしまいます。転職理由はなるべく一つに絞りましょう。
転職理由に感情論が盛りこまれてしまうと、面接官は逆に共感しづらくなります。
「どうしても会社の上司の発言が許せなかった」正義感をもってそう伝えても、面倒くさい人だと敬遠される場合も…。
感情的な人よりも論理的な人の方が、仕事ができると思われます。冷静で理知的であるという印象を与えるようにしましょう。
「つらかった」「大変だった」という否定的な言葉を転職理由で用いるのはやめましょう。
なぜなら、転職してからも会社に対して否定的な言葉を使うのではないかと疑われるからです。
否定的な言葉が多いと、人間関係やコミュニケーション面で支障が出ると不安視されます。
社員にするなら、愛社精神に満ちたポジティブな人をとりたいと思うのは当然のこと。面接官は、周囲の社員とも上手くやれそうかという面で判断する場合もあるのです。
「上司にそう言われたので」「会社のルールだったので」
受け身な転職理由だと、やる気がないと見なされます。
有能な社会人は、自発的に行動できるもの。転職理由は、自分が考え自ら行動したものだと伝えましょう。
「自分はこう考えたので行動しました」そんな風に自信を持って言えば、積極的な人だという印象を与えることができます。情熱や熱意を評価してもらえるのです。
「事務処理はやりたくなかったので…」
こんな風に、具体的な業務に対する不満を転職理由に盛りこむのはやめましょう。
作業範囲の狭さが疑われる場合も…。器用なゼネラリストを求めている会社もたくさんあるのです。そのため、アピール段階では幅広くこなせる人材として見られる方が得をします。
転職理由で、特定の業務に対する不満を言うのは控えましょう。業務への具体的な意見は、採用が決まった後に伝えればいいのです。
転職の面接を受ける前に、どのような準備をしておく必要があるでしょうか?限られた時間の中で効率を上げるためには、闇雲に準備するのではなく的を絞りましょう。
今からご紹介する3つのポイントは、面接を受ける前に最低限準備しておきたいことです。時間が許す限り、やってみてください。
準備をきちんとしておけばそれが安心材料になり、実力を発揮することができるでしょう。
転職者=即戦力だと認識している企業もあります。
前職で何ができるのか、そしてそれを今後どう活かすのかを尋ねられることも多いでしょう。そういった場合に備えて、経験値とスキルを高めておく必要があります。
話せるネタが多ければ多いほど、面接官には興味をもってもらえます。そのため、転職前にある程度キャリアアップをはかることをおすすめします。
「役職が上がった」など、具体的なエピソードトークを準備しておきましょう。
転職の理由が固まったら、それを基準に何を聞かれてもいいよう準備しましょう。
おすすめはツリーマップを作ること。転職理由に関連して質問されそうなことを書き出しておくのです。
そうすることで、転職理由に対するどんな突っ込みが来ても、落ち着いて受け答えすることができます。転職理由に説得力を持たせるには、そういった対策を練ることが必要です。
事前に完成させたノートを持ち歩いて面接前にも見返すことで、不安は減ります。軸をぶらさずに転職理由を伝えられるでしょう。
人見知りにとって、面接はとてもハードルが高いもの。しかし何回もこなすうちに、「こんなもんか」と思えるようになります。
そうなるためには、練習を重ねて面接自体にまず慣れること。家族や友人にお願いをして面接官役をやってもらい、面接の空気感をできるだけ多く体感することが有効です。
必ず聞かれる転職理由の他にも、その場で考えた質問を取り入れてもらいましょう。
臨機応変な受け答えの練習になります。
転職者に対する面接は、新卒面接の時の何倍もスピード感があります。
人手不足の企業などは、一刻も早く採用者を決めたいと考えているからです。
履歴書を出したらすぐ次のステップへ進む指示がある場合も…。
転職理由を考えたり、転職の面接を練習したりする場合は、エントリー前に早めに始めましょう。
一度落ちた企業には再エントリーできない場合がほとんどなので、志望度の高い企業は、入念に準備をしましょう。
転職は人生の大きな分岐点。
うまくいけば、やりがいのある仕事に携わりながら、今よりもっと良い条件で働くことができます。
事前の準備を怠らなければ、転職の面接ではチャンスを最大限に活かすことができます。
悔いの残らない転職活動ができるよう、心からエールを送ります。
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。
人に話せない悩みも、今まで居場所がないと悩んでいたことも全て、ここでなら話せる。自分が一歩を踏み出せば、世界が変わる。
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