2020.01.27
深夜2時。もう少し早い時間に入浴したいと思いつつ、毎晩この時間帯にこうして湯船に使っている自分が憎い。同棲中のパートナーはもうとっくに寝室へと行き、メゾネットタイプの住宅一階には私しかしなかった。
40度のお湯に浸かりながら、浴室の天井をボーっと眺める。年末に行った大掃除によって綺麗になった天井に満足感を抱きつつ、年齢の割には所帯じみてしまっているなとも思ってしまうのは幸か不幸か。
完全な同棲を始めて、早約一年と半年。すっかり外へ飲みに行く回数も減り、オールをする日なんて一ヶ月に一度も無い。
最近の楽しみと言えば、住宅をより快適にするツールを導入したり、美味しいお酒をECで購入して彼の手料理と共に嗜んだりすることだ。これで子供なんていてしまえば、絵に描いたような幸せな家庭を持っているように見えるだろう。
それでも構わないという気持ちを抱く反面、一番遊び盛りである24歳の女性としてこの状況はいいのだろうかと自分に対し疑問を抱く時が無いとは言えない。少し冷めつつあるお湯に身を沈めながら、考えるのはもしものこと。
もしも、今のパートナーと離別し、一人で生きていくとなったら、果たして私は昔のように様々な男性と逢瀬を重ねるのか。それに伴い、セックスをするのだろうか。……正直、想像し難い。
16歳で初体験を終え、そこから今のパートナーと交際するまで、おおよそ50人以上の男性とセックスをしてきた。世間一般からすれば、多い人数だとしても、別に後悔はしていない。
今でも性欲は衰えておらず、それが原因でパートナーと話し合いに発展することも少なくはないが、別の男性としたいとも思わない。
不特定多数の男性とのセックスが原因で性感染症(クラミジア)に罹患した経験も大きいが、それ以上に他人の家で寝泊りし、翌朝に帰宅するという流れがすごく面倒臭く感じてしまう。いくら相手が寛容だとしても、そこは自分のテリトリーではない。
何をするにしても、相手の許可を得なければならないし、そもそも他人の目があるという時点でリラックスなんて無理。そういった空間で行われるセックスは、何だか自分が無いような気もする。
たぶん、以前は…様々な男性と対峙していた頃は…それが快感の要因となっていたのかもしれない。
自分よりもすごい人、所謂ハイスぺと呼ばれる人たちに支配されることで自分の存在を証明する。勿論性欲もあったが、それ以上に承認欲求を満たす為の行為でもあった。セックスによって男性に染まり、染まることで承認欲求が満たされる。その繰り返し。
でも、もう他人主体のセックスには興味が無い。
自分のテリトリーで、自分を求めてくれる人と、自分主体のセックスがしたい。
だから深夜2時、今宵も私は一人で身体をふやかせる。
マドカ・ジャスミン
著書「Who am I?」発売中
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。
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