2020.01.14
メンタルの調子を崩し、仕事を休職することになった。
これまで仕事づくしの毎日だったのに、休職中は毎日が自分だけの時間になる。
自分が休職する身になるまでは、そんなことを思っていたのに。
いざ休職することになってみると、どう過ごしていいのか分からない…。
休職中って、外出してもいいの?
復職や退職のことはどうやって向き合えばいいの?
遊びに行ったら、「休職中なのに」と責められそうで怖い…。
せっかくお休みする時間をもらっても、どうやって過ごせばいいのか分からない。
心が落ち着く気がしません。
心が調子を崩した時。メンタル疾患だと診断を受けた時。
会社に勤めている人であれば、休職制度の利用を検討する場合もあります。
休職に至るまでの手続きを完了させて、いざ休職期間へ。
しかし、休職中の過ごし方に悩んでしまい、「余計に心が休まらない」と感じてしまう人も多いのです。
「休職中、このままダラダラしていていいのだろうか。」
「職場の人にも申し訳ないし、退職の手続きをしてしまおうかな…。」
休職中に不安がよぎることで、休職を終えて退職してしまおうと考える人もいます。
実際に休職することになったら、どのように過ごせばいいのか。
退職を決めたら、どのような手続きが必要となるのか。
休職中にストレスを感じやすいことを、この記事を通じて解消していきましょう。
毎日会社に通うのが当たり前の生活から、休職中は毎日どこにも行かない生活となります。
忙しくしている時には「たくさん休みたい」と願うものですが、いざ毎日を自由に使えるとなると、罪悪感を感じてしまうことも。
休職中に一番大切なことは、心を休めて健康を取り戻すことです。
ここでは、休職中に意識したい過ごし方を6つご紹介します。
休職期間中に実践してほしい過ごし方の1つ目は、何もせずに休むことです。
メンタル不調の原因は人それぞれ異なります。
「うつ症状がある」と言っても、一人一人の調子は違うものでしょう。
しかし、どんな原因・どんな体調であったとしても、メンタル不調による休職中は、「しっかりと休むこと」が大切です。
これまで頑張りすぎてしまった分、休職中の仕事は「休むこと」なのです。
休職期間に入ると、何かしなきゃと焦る気持ちも生じることでしょう。
そんな時は、「休むことが仕事だ」と自分に言い聞かせてあげてください。
休職期間中に実践してほしい過ごし方の2つ目は、仕事を休んでいる自分自身を決して責めないことです。
「みんなは仕事をしているのに」
「これくらい乗り越えられないとダメだ」
「もっと頑張れるはず」
「私が弱いからいけないんだ」
これらは、休職をしていると頭の中で何度も何度も繰り返してしまう言葉です。
自分を自分で攻撃してしまう言葉とも言えるでしょう。
休職をするのは、回復のためです。休むためです。
決してあなたが甘えているからではありません。
あなた自身を責める必要は一切ないのです。
休職期間中に実践してほしい過ごし方の3つ目は、無理な勉強などは控えることです。
休職に入ると、当然ながらそれまで仕事をしていた時間がポッカリと空きます。
手持ち無沙汰になること、そして休職後の未来が不安になることから、「何か仕事につながる勉強をしよう」と焦ってしまうこともあるでしょう。
そんな時、無理をしてまで資格取得などの勉強を進めるのは控えてください。
本来の目的である「休むこと」を蔑ろにし、勉強三昧の日々になってしまうと、結果的に心が休まらないことにもつながってしまいます。
休職期間中に実践してほしい過ごし方の4つ目は、時間をのんびりと過ごすことです。
働いていると、毎日の流れはとにかく早く、会社からもスピードを求められつづけます。
そのスピードに慣れてしまうと、「ゆっくり過ごすこと」が難しく感じるように思えてしまうこともあるのです。
休職期間中は、心が休まるように時間をゆったり過ごすことを大切にしましょう。
嫌というほど時間を意識させられてきた毎日を忘れて、時計がなくても過ごせるような毎日を目指してみましょう。
休職期間中に実践してほしい過ごし方の5つ目は、不安はため込まずにきちんと解消することです。
休職をするということは、それに至るまでの状況で何らかのストレス要因を抱えているはずです。
さらに、休職すること自体もストレスの原因となります。
ただ休んでいるだけだと思えるかもしれませんが、休職期間中は大きなストレスとの戦いが待っています。
だからこそ、病院には定期的に通い、不安な点があれば主治医の先生に相談するのを怠らないように注意しましょう。
休職期間中に実践してほしい過ごし方の6つ目は、規則正しい生活を崩さないことです。
毎日会社に通う必要がなくなると、毎日朝早く起きる必要もなくなります。
メンタル不調によって休職している人は、朝なかなか起きられない症状を感じている場合もあります。
それらが合わさることによって、生活リズムが大きく乱れることも生じやすくなります。
休職中は休むことが何よりも大切ですが、心を休めるためには毎日の生活習慣を崩さないことが有効です。
心穏やかに過ごすためにも、できる限りの安定した生活リズムを維持しましょう。
休職期間に入ると、真っ先に考えてしまうこと。
まだまだ休職期間は残っているのに、これから先のことが不安になり、毎日毎日心が休まらない。
そんな経験をする人も多くいるでしょう。
焦りが生じている時は、次の行動やこれから先の判断をするのに適していません。
大きな判断は、自分の心が穏やかで居られる時にすべきです。
休職してしまったからといって、すぐに退職をする必要はありません。
休職期間中に体調が回復し、会社との向き合い方も変わるかもしれません。
仕事に対するあなた自身の考え方も変化することだってあるでしょう。
焦らず、落ち着いて、心が休まってから。
次の行動を考え、決断していきましょう。
休職期間を経て、退職することを決める人もいます。
いざ退職をすることになったら、どのような手続きを行えばいいのでしょうか。
退職時の手続きは会社との手続きだけでなく、自分で申請することで貰える手当などもあります。
それらの手続きを行うことで、今後の自分に対しても余裕を持てることもあるでしょう。
退職を決める際には、ここでご紹介する手当や手続きについて確認をしてみてください。
退職を決める際に確認したい手続きの1つ目は、雇用保険についてです。
次の仕事をまだ決めずに退職することとなった場合には、失業保険が受け取れるかどうかを確認しましょう。
ただし、失業保険を受け取るためには条件を満たしていることが必要になります。
しっかりと確認し、必要な点があれば早めに会社への連絡を済ませましょう。
退職を決める際に確認したい手続きの2つ目は、傷病手当金についてです。
傷病手当金とは、業務外の病気やケガが原因となって会社や仕事を休むことになった際に受け取ることができるお金のことです。
給与を受け取っている期間に関しては受け取れないなど、こちらも様々な条件を満たしていることが必要となります。
自分が傷病手当金を受け取れる条件に当てはまるのか。
受け取るためにはどのような手続きを済ませる必要があるのか。
退職を決める前に確認して欲しいポイントの一つです。
退職を決める際に確認したい点3つ目は、ご自身の会社で定められている就業規則です。
働いている時にはなかなか気にすることもない就業規則ですが、会社ごとにその内容も異なり、実は重要なことがしっかりと書かれているもの。
例えば、そもそも休職制度があるのかどうか、休職期間を終えたあとの会社の対応はどうなるか等、休職に関することも記載がされています。
退職を検討する際だけでなく、今後の復職に向けても就業規則はきちんと内容を把握しておくことが大切です。
休職をしている人の中には、休職期間を終えてそのまま退職することを決める人もいます。
退職をして、新しい会社に入ることとなった人。
次の会社は決めずに、就職活動を始める人。
退職後はしばらく療養に努める人。
休職後の道は、必ずしももともといた会社での復職だけとは限りません。
いざ退職をした時、どのようなことを意識すれば心は穏やかになれるのでしょうか。
退職後に意識してほしいこと1つ目は、自分を自分で幸せにしてあげること。
休職後に進む道は、人それぞれ異なります。
どの道を選んだとしても、辛いことや苦しいこと、もちろん調子がなかなか整わないこともあるでしょう。
そんな状況だからこそ、いつでも「幸せ」を発見する力を育ててあげてください。
「今日1日を過ごして幸せだったこと」を毎日一つでも見つける。
それだけでも、毎日が鮮やかに見えるようになります。
退職後に意識してほしいこと2つ目は、「休むこと」を忘れないでいつづける点です。
休職期間を終えたからといって、いきなり元気を取り戻せるわけではありません。
メンタル不調ではない時だって、調子を崩すことはありますよね。
休職から抜け出したことがイコール「体調が戻った」になるではないのです。
まだまだ回復しない人は、引き続きゆったりとした時間を過ごすこと。
随分と調子が整ってきた人は、さらに体力をつけるための時間を過ごすこと。
主治医の先生と相談しながら、あなた自身のペースで体を労り、定期的に休むことを大切にしてください。
退職後に意識してほしいこと3つ目は、自分を自分で褒めてあげる習慣づけです。
退職を決めた後、特に次の仕事を決めずに退職をする人は、つい自分を否定してしまいがち。
まだ働けないのに。
何にも頑張ることができない。
私は何もできない人間。
こんな風に、自己否定をしてしまう癖がついてしまうこともあります。
そのような状況の時こそ、自分を褒めてあげる意識を大切にしてください。
毎日の中で「今日できたこと」を一つでも挙げて、褒めてあげる。
そうして過ごしていくうちに、できることが少しずつ少しずつ、行ったり来たりしながら増えていくのです。
退職後に意識してほしいこと4つ目は、退職を決めた自分を責めないこと。
休職からそのまま退職することになると、それが「逃げ」のように思えてしまうことがあるでしょう。
会社の仕事を放棄してしまった。
責任を取らずに辞めてしまった。
自分勝手だった。
しかし、あなたは退職に至るまで、たくさん考えて、たくさん悩んできたはず。
どうすればまた会社に戻れるのか。
どうすれば笑顔で仕事ができるのか。
どうすれば皆と一緒に働けるのか。
どうすれば人に迷惑をかけずに居られるのか。
こうしてたくさん考えて、もしかしたら考えすぎて、結果的に退職を選択したのです。
それはたとえ誰かが「逃げ」だと言っても、あなた自身が勇気を持って選び取った「逃げ」です。
誰にも否定することはできません。
そして、あなた自身にもその選択を否定する権利はありません。
あなた自身の選択を褒めてあげてください。
一生懸命に悩んで、考えて、ここまで歩いてきた自分を。
退職後に意識してほしいこと5つ目は、いきなり予定をたくさん詰めないことです。
あなた自身が「元気が戻ってきた!」と感じていたとしても、突然休職に至る前ほどのパワーが戻ってくるわけではありません。
休んでいる時間が長かった分、外出や人間関係で疲れを感じやすくなっていることもあります。
休職を終えたあとは、いきなり無理な予定を立てないことが重要です。
無理をしてまた心身の調子を崩してしまってはもったいないですよね。
時間をかけて、少しずつ自分のペースを上げてみたり、自分にできることを増やしていけば大丈夫です。
もっともっと。
頑張らなきゃ。
こんな思いが募るのは痛いほど分かりますが、だからこそ、ゆっくり進むことを意識しましょう。
結果的に、それが近道となってくれます。
「休職して居た会社からの退職を決めた。」
退職を決めて、すぐに次の会社が決まる人もいる。
退職後しばらく休んでから、また会社選びを始める人もいる。
いろんな道が広がっていますが、そんな中で気をつけて欲しいことが一点あります。
それは、自分が辛いと感じていた原因と同じ状況がある環境を選ばないこと。
たとえば、営業の仕事内容が辛いと感じていた人が再び営業職を選ぶのであれば、「辛い」を細分化し、次の環境では同じことが発生しないように注意するのが大切です。
同じ仕事や同じ職種、同じ勤務形態を選ぶこと自体が悪いわけではありません。
同じ環境で同じ状況を繰り返してしまうことを極力避けて欲しいのです。
そのためにも、自分が辛い状況や環境をきちんと把握すること。
今回の休職の原因を自分なりに特定すること。
休職して心が休まってから、そのように冷静な自己分析を行うことが大切です。
これは決してネガティブな状況を表す言葉ではありません。
休職を決めたあなたも、退職を決めたあなたも、今までのあなたから一歩あゆみを進めたからこそたどり着いているのです。
立ち止まっているわけではない。
新しい自分に向かうべくして、怖くても、辛くても、あなた自身で選び取っているのです。
そんな自分を褒めてあげながら、ゆっくり休めてあげながら。
あなただけの道をまた作っていきましょう。
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。
人に話せない悩みも、今まで居場所がないと悩んでいたことも全て、ここでなら話せる。自分が一歩を踏み出せば、世界が変わる。今辛い自分は、明日には笑えるかな?そんなあなたへ。待ってるね。
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