2019.12.08
小さいころは何事にも無我夢中だった。
意味とか理由とか考えずに心が向くままに「楽しそう、面白そう、やってみたい」と思ったことはやっていた。
小さいころはそれでよかった。でも今は違う。
今は仕事や家事に追われ、気がつけば一日が終わる。一週間が過ぎる。あっという間に一年が経つ。
意味とか理由とか損得とか考えて動くうちに、やりたいことよりやらなくちゃいけないことがどんどん心身を侵食していった。
やらなくちゃいけないのに、やってもやっても報われない。褒められない。認められない。必要とされない。
そもそも楽しいことじゃない。やりたいことじゃない。それなのにやらなくちゃいけないから心を殺して頑張る。
頑張って頑張って頑張り続けて、もう疲れてしまった。
「これがこの先の人生ずっと続くんだろうか」
私ってなんのために生きてるんだろう?
人が生きる理由ってなんだろう?なんで私たちは”頑張って”生きなくちゃいけないんだろう?
眠いのに朝起きて、きつくて苦しい満員電車に揺られ、面倒くさい人間関係の中で神経をすり減らしながら仕事をする。
心が弾むことも起きず、周りが幸せになると嫉妬で心にドロっとしたものを抱え、「あの人みたいになりたい」と人を羨みながらも自分の人生を半ば諦めている。
私たちは望んで生まれてきたわけじゃない。こんな風になりたくて生まれたんじゃない。
夢とか目標とか生きがいとかそういう美しいものがほしい。でもない。
なんのために生まれて、なんのために生きるのか、この先どこに向かって生きていけばいいのかわからない。
私たちは自らが「この世に生まれたい」と願って生まれてきたわけではありません。誰かが何か特定の役割を自分に課して生まれてきたわけでもありません。
つまり、最初から生まれてきた理由や人生の意味を持っている人はいないのです。
人生の意味について考えるとき、大きく二つの結論に分かれます。
一つは「夢や目標・生きがい・天命があり、それを達成するための人生」と、何かしらの意味を見出すこと。”何か”に向かって努力したり頑張ったりすると限られた時間を濃いものにでき、成長することや自己の欲求、他者からの承認欲求を満たすことができます。
もう一方は「人生に意味なんてない」と捉え、人生への意味付けを行わないこと。人は生まれ、生きて、死ぬ。誰にでも平等に訪れることなので、「ただ生死のサイクルが回っているだけ」「人生は過程」と捉えるという結論です。自分が導き出した結論であれば、どちらも正解になります。
「人はなぜ生きるのか?」「生きる意味はあるのか?」その答えを探す前に、大前提として生きる意味はなくて当たり前であるということを頭に入れておいてください。
私たちは望んで生まれてきたわけでも、誰かに役割を与えられて生まれてきたわけでもありません。つまり、もともと生きる意味がないのが自然な状態です。「死ぬまでのただの過程だから生きる」と捉えるも良いですし、「死にたくないから生きる」というのも立派な生きる意味です。
でも、生きる意味を見つけられたら「なんのために毎日頑張っているのかわからない」と虚しさや絶望を抱えたり、ストレスや心身の不調を抱えながら過ごす日々から抜けることができます。人生というこの膨大な時間を楽しく、心地よく過ごせたら心は穏やかでいることができるのです。
ここでは生きる意味を見出すきっかけになる「自分に問いかけて欲しい質問」を7つご紹介します。生きる意味・生きてる意味は壮大なテーマです。そう簡単に見つかるものではありません。
そしてその答えは心の奥の奥にあるもの。見つけ出すためには、自分の本心・本音に触れなくてはいけません。
今のあなたの頑張っていることや目の前の現実から目をそらすことなく、自分に素直になって、自分自身と向き合って考えてみてください。
まず最初の生きる意味を探る質問は、「あなたは何が好きですか?」です。好きな食べ物、好きなこと(趣味)、好きな動物、好きな場所、好きな本、好きな映画…なんでもOKです。
生きる意味を探してる人は、今の生活や毎日の暮らしに疲れ果てていたり、虚しさや絶望を感じていることが多いため、「これが好き」と心から思えるものがない場合もあります。そんなときは、少しでも自分の心が動くものを考えてみてください。
「大切な人はいますか?」という質問も、生きる意味を見つけるのに有効な質問です。親、兄弟(姉妹)、恋人、友人、パートナー、恩師などあなたが大切だと感じる人を考えてみてください。
大切な人を頭に思い描けたところで、その人たちに何かしてあげられることがあるか、またその人たちにしてあげて喜んでもらえたら自分が嬉しいかどうかを考えてみてください。嬉しさや喜びを感じられたら、それは生きる理由に繋がるものになります。
次にご紹介する質問は「あなたは守りたいものはありますか?」です。先の質問と異なり人ではなく”もの(あるいは状態)”を考えてください。
あなたが守りたいものはあなたの心の拠りどころになっているものでもあります。
例えば、友人との楽しい生活、猫との心穏やかな時間、パートナーと一緒にいるときの温かな気持ち、大切に築き上げてきた会社など。それら大切な守りたいものを守り続けるということも、立派な生きる理由の一つです。
生きる意味を知る質問4つ目は「居場所って、本当に必要ですか?」。恋人、パートナー、友人、趣味のコミュニティなど、関わるであろう人たちはさまざまです。
自分を受け入れてくれる場所、つまり居場所になりますが、それは絶対になくてはならないものではありません。ひとりで楽しく生きている人もたくさんいます。自分を自分で受け入れている人たちです。逆に、自分を苦しめる居場所ならば離れる必要があります。
「生きる価値って、本当に必要ですか?」という質問も、生きる意味を探るのに役立ちます。
大前提として、価値がある・ない関係なく、あなたが今生きてること・生きてきたことは事実としてあります。
そもそも、私たちは自然発生的に、いろんな偶然が重なって生まれてきた。一つの奇跡です。生まれたこと、生まれてから今まで生きてきたということに既に価値があるので、わざわざそれ以上の価値を頑張って見出さなくても大丈夫。
「誰かに褒められたい、認められたい、評価されたい、必要とされたい」そういった承認欲求を他者に委ねると、自分が望む結果が返ってこなかったときに虚しさや自己嫌悪・自己否定を感じてしまいます。
また、自分のためではなく他人のために生きるということは、感情も行動も振り回される可能性が大きい。次第に自分を見失い、自分が生きている意味がわからなくなってしまいます。
「あなたは、自分のために生きられていますか?」と自分に聞いて確認してみてください。
最後の生きる意味を見つけるための質問は「小さいことでも、幸せはありますか?」です。自分の好きなものや心が動くこと、自分が幸せを感じることを把握することは生きる意味を見つけるためにとても大切です。
なぜなら、その小さな幸せを積み重ねていくことは自分の心を満たし、自分の心が向くままに行動できている証だからです。
振り返ったとき結果的に、自分で選んできた人生=意味のある人生になっているのです。
生きる意味がわからなくなったとき、自分に問いかけてほしい質問をご紹介しました。どれも自分と向き合って、自分の本心に触れるものばかり。とても疲れるものです。
生きる意味や人生の意味を探しているときは、今の自分・現実を肯定できていないもの。自分の本心に触れることで、見たくない現実や自分を見ることになるのが疲れてしまう大きな理由。
芸能人など活躍してる人や家庭円満な家族を見るたびに自分と比較して、「自分の生きる意味や人生の意味なんてない」と感じてしまう。
疲弊してまで自己と向き合い、他人と比較して落ち込んでまで自分の人生に意味を見出さなくてはいけないものでしょうか?
私たちは望んで生まれてきたわけではありません。だから、生まれてきた意味や生きる意味、人生の意味なんてないのが自然。すべて後付けです。
もちろんそれが悪いことではありませんが、頑張って無理やり見出すものでもありません。自分を苦しめたり傷つけてしまっては元も子もないからです。
また、意味付けをするのは人間だけ。人間以外の動物は、その瞬間を心が向くままに過ごしています。眠かったら眠り、お腹が空いたらご飯を食べ、甘えたかったら甘え、ひとりになりたかったら飼い主にも冷たくなる。
自分のしたいことだけ積み重ねて生きている彼らは生きる意味を持っていませんが、「十分幸せそうに見える」という人も多いのではないでしょうか。
生きる意味や理由、人生の意味はひとそれぞれ。意味付けをしても良いし、しなくても良い。正解も不正解もありません。自分の心が穏やかで楽にいられる状態であれば、また自分が導き出し納得できる答えであればなんでも良いものです。
ここでは、人が生きる9つの理由をご紹介します。具体的な生きる意味・人生の意味を見つけたい人はぜひ参考にしてみてください。
一つ目の人生の意味になりうるものは、自分の幸せです。「偶然生まれてきた私たちには生きる理由がないのが自然。でもどうせ生まれてきたのなら、幸せになろう」「幸せになるために生まれてきたのだ。幸せになるために頑張ろう」という風に考えます。
幸せの定義は十人十色ですが、例えば「自分を大切にして最優先にする」「自分がしたいことだけを選んで行動する」「自分が好きなものに囲まれて過ごす」が挙げられます。
周りの人を幸せにするために生まれてきた/生きている、というのも人生の意味と捉えることができます。
自分の幸せをないがしろにして周りの人を優先するという考え方ではなく、周りの人の幸せが自分の喜びに繋がるということが前提にあります。
例えば、「家族やパートナーに笑顔いっぱいに暮らしてもらう」「仕事を通して、人々の心や生活を豊かにする」「ボランティア活動で困っている人を助ける」などです。
「好きなことを貫き通す」ということも人生の意味の一つ。自分の興味があることや趣味、好きなことを仕事にしている人は仕事を、人生を通してやり抜くために生きているという考え方です。
周りから「それをやり続けてなんの意味があるの?」「本当に将来の役に立つの?」と言われても、自分が好きなことが自分を元気にしてくれたり幸せを感じることなので関係ありません。
好きなことを貫き通すのは立派な生きる理由になります。
「あれがしたい」「これがほしい」「これが生きがいだ」といった具体的な生きる理由はないけど、「ただ生きたい」と思う。これも立派な人生の意味・生きる意味になります。
この考え方は、「嫌なことも辛いこともあるだろうけど、楽しいことも嬉しいこともあるだろう」とシンプルに捉えているもの。また、これからの人生で何か楽しいことが待っているかもしれないから「生きていたい」といった前向きな気持ちがあります。
「死にたくない」と思うことも人生の意味の一つ。「人生の意味や生きる意味は見つからないけど、死にたいわけじゃない」という考え方です。
また、死について考えることは怖いことです。死とはどういうものか、死後はどうなるのか誰も正確な答えは持っていません。人は知らないことに恐怖を覚えます。
そんな怖いことに自分はまだ向き合えないから、まだ死にたくないと思うのはとても自然であり、十分生きる意味・人生の意味になるのです。
次に挙げられる人生の意味は「自分を愛するため」です。これまでの人生で自分を押し殺して生きてきたり、自分をないがしろにして他人を優先して生きてきたり、誰かのために自分の時間やエネルギーなどを使ってきた人は、人生の意味や生きる意味を見失ってしまいます。
自分が主人公の自分の人生です。
人生はタイムリミットがある中で「今後は自分を大切にして、自分を愛するために人生を使う」ということも一つの人生の意味なのです。
人生の意味・生きる意味として次にご紹介するのが「人を愛するため」。
人は何かに情熱を捧げている人を美しいと感じます。スポーツ選手や作家、モデルや料理家など、自分の好きなことが頭や心を満たしていて、充実した人生を送っているように見えるからです。
情熱の対象が人でも同じことで、家族やパートナーや友人、会社のメンバーなど当てはまる人は様々です。自分が誰かを全力で愛することで充実した人生になると、それが人生の意味になるのです。
「今日を精一杯楽しく過ごす、そしてそれを積み重ねていくことで意味ある人生にすること」というのも人生の意味の考え方の一つ。人生とは瞬間の積み重ね。今日という日は一生で一度しか訪れません。また、明日が必ず来る保証はどこにもありません。
その今日という大切な日を、自分がしたいことを優先して行い、迷うことなくそれに全力を注ぐために「人生の意味は○○をするため」と具体的に決めつけない方が心が楽でいられることもあります。
最後にご紹介する人生の意味になりうるものは「叶えたい夢のため」です。「起業したい」「料理研究家になりたい」「海外で働きたい」「俳優として映画やドラマに出たい」など夢の形はさまざま。
今挙げたような長期スパンの夢を追い叶えるために人生を捧げるのも良し、「世界一周クルーズに行きたい」「アラスカでオーロラがみたい」「応援してる地下アイドルをメジャーデビューするまで支えたい」といった中・短期スパンの夢を複数持つでも良しです。
人生とは人が生きる道。地図も持たされず、標識もない道に突然ぽんっと投げ出される。だからどこへ向かって歩こうが、どれくらいの速さで歩こうが、それはその人の自由。
100人いれば100通りの歩き方があります。正解も不正解もありません。
もし道を間違えてしまったなと思ったときは、歩いてきた道を戻って別の道を行けばいいし、行き止まりにぶち当たったら、目の前の壁を壊し自分で道を切り開いてもいい。人生は、人それぞれの形があっていいのです。
人生の意味を考えたときに「死にたくないから生きてるだけ」と言うと、「そんな悲しいこと言わないで」と言う人がいます。また、自分が好きでやっている趣味や活動に対して、「それで将来大丈夫なの?もっとお金になることしたほうが良いんじゃない?」と言う人がいます。
すべてその人の価値観で判断したことであり、はっきり言って大きなお世話。自分が納得してさえいればどんな人生の意味を持っていたって良いものです。
あなたの人生の中であなたは自由です。人生の意味や生きる意味を見つけて、それに向かっていくこともできますし、何かに没頭するより毎日心をふわりと楽にして流れるように過ごしていくこともできます。
何をするのも自由ですが、自分の人生を歩むために必ず守らなければいけないことがあります。それは、「自分で決め、自分で選び、自分のために行動する」ということ。
誰かに褒められるため、認められるため、評価されるため、必要とされるためではなくすべて自分のために。
なぜかと言うと、人のために生きていると生きる意味を見失ってしまうから。他人の心や行動はコントロールできません。思うような結果が返ってこなかったとき「報われなかった」と虚しさを抱えてしまうのです。
自分が進む道を一つ一つ自分の頭で考え、悩み、納得して取捨選択していけば、自分の人生を歩むことができます。他人のためではなく、自分のために、自分のためだけに生きてみてください。
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。
人に話せない悩みも、今まで居場所がないと悩んでいたことも全て、ここでなら話せる。自分が一歩を踏み出せば、世界が変わる。今辛い自分は、明日には笑えるかな?そんなあなたへ。待ってるね。
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