2019.09.27
「すごいね」「完璧だね」「えらいね」
そんな言葉ばかり人からもらってきた。
完璧と言われるのは嬉しい。
最初はそう思っていた。
でも、ずっと言われ続けて、いつしか「完璧主義」は自分に重くのしかかるようになっていた。
完璧主義の自分が息苦しい。
完璧主義に生きるのは疲れてしまう。
それなのに、捨てて変わることができない。
完璧でなきゃダメだって、周りに認められなきゃ駄目だって、わたしの心は今日も叫んでいる。
どんなことでも一つのほころびもなく、完璧に行わなければと思ってしまう。失敗をしたら、自分はそこで終わりだと思ってしまう。それが「完璧主義者」です。
「ずいぶんとしっかりした人だな」「色々なことが完璧にできるなんて、すごい人」と思うかもしれません。しかし、完璧主義者は「自分はずっと完璧でなくてはいけない」と自身を追い込んでいることが多いのです。人間には誰しも弱点があるもの。その弱点を無理やり押し込めて、あらゆることを完璧にこなそうとする完璧主義者は、自分の弱い部分を認め受け入れて生活している人よりも、ずっと生きることが辛いことがあります。
「適度に手を抜けばいいじゃない」「完璧主義なんてさっさと捨ててしまえば?」
そんなことを周りから言われても、完璧主義者はすぐに完璧主義を捨てることができません。一度得た完璧主義を放り投げて生きるのは、薬で病気を治すように簡単なことではないのです。
十人十色と言う言葉があるように、この世界には様々な人がいます。一人一人得意なものが違い、苦手なものも違います。
何もかも完璧に出来るように生まれてくる人などいないのです。
「これが私の弱点だから、あなたはそれを補って」そう言えればいいのですが、完璧主義者にはなかなかできないもの。なぜ完璧主義者は「自分は完璧でなくてはいけない」「弱いところを見せてはいけない」と思うようになってしまったのでしょうか。完璧主義になってしまう原因について知っていきましょう。
子供の頃に「テストでは100点を取りなさい」「運動会では1位になりなさい」こんなことを言われて、育った人はいないでしょうか。
「何もかも一番でないといけない」と完璧主義を貫いて大人になってしまった人は、生まれた自分の子供にも完璧主義を押し付けることがあります。そのため、子供にとって本来弱点をさらけ出してもいいはずの家庭が、弱音を言えない牢獄のようになってしまうのです。
家でも学校でも気を許すことができない。自分の弱いところを認めてくれる人がいない。失敗を許してくれる人がいない環境で育つと、大人になっても完璧主義者を引きずってしまいます。
仕事やプライベートで「絶対にあの人には負けたくない」という負けず嫌いの人も、完璧主義者になりやすいです。負けず嫌いの人は、自分の弱みを相手に握られることを恐れるもの。そのため、必然的に心を許すことができる相手も少なくなってしまうのです。
負けたくないというのは悪いことではありません。しかし、プライドが高く、常に誰かと張り合っている負けず嫌いな人は「誰にも弱みを見せてはいけない」と気を張っているため、疲れてしまう場合があります。
人間として生まれた以上、他人との関わりは必要不可欠です。特に会社などでは、他人からの一定の評価がないと給料が上がらないなど、他人の評価が重要視される場合があります。
自己評価が低い人は、他人からの評価が自分の全てだと思い込んでいる場合があります。「自分はダメ人間だ」「自分は周りよりも出来損ないなんだ」と思っているため、自分で自分を認めてあげることが出来ないのです。
そのため、他人から評価されるために、完璧主義者になり、自分で自分のことをどんどん追い詰めていきます。
「自分の長所は真面目なところです」と自分で宣言する人もいますが、真面目というのはその言動や仕事ぶりを見て、周りから評価されることが多いものです。「あの人真面目ね」と皆から言われてしまうと、例え本当は真面目ではなくても、真面目に振る舞わないといけないと思ってしまいます。
真面目な人というのはほとんどの場合、物事を途中で投げ出しません。一心不乱なその姿勢はまさに完璧主義。真面目になろうと思うとその過程で、完璧主義になってしまうこともあるのです。
「美人になりたい」「セレブな生活をしたい」など、生活する中で人それぞれ様々な理想があるかと思います。そして「今の自分では理想には届かない」と、理想に近づくために努力している人もいるでしょう。
しかし、自分も理想の人と同じような生活や行動をするためには、完璧主義者にならなければいけない場合があります。自分の身の丈に合わない完璧主義を求めると、結果的に無理をすることになり、疲れてしまうのです。
「完璧主義はもう疲れた…」「完璧主義を治して穏やかな生活を送りたい」完璧主義者の人の中には、自分が完璧主義であることに疲れてしまい、完璧主義から卒業したいと切実に思っている人もいるはずです。
性格や自分の主義主張をすぐに変えるのは難しいもの。しかし、完璧主義を治していく方法はゼロではありません。完璧主義から卒業し、自分らしさを出して生きていきたいと思っている人は、次に挙げた完璧主義の治し方を実践してみてくださいね。
仕事、プライベート、予期せぬ予定…、日常の中で沢山の案件や物事が溢れてしまう日もあるでしょう。そんな時に完璧主義者の人は、きっちり全部をこなそうとします。
しかし、一気に全てのことを行おうとしてはパンクしてしまうもの。まずは、「すぐにやるべきこと」「急ぎではないこと」など、物事に優先順位をつけましょう。
優先順位を付けることによって、時間にも自分の心にも余裕ができます。焦って自分を追い込むこともなく、完璧主義も和らぐのです。
案件を片付ける時に幾つかの物事を、短時間で一気にやろうと思っていませんか?人には一度に処理できる物事の数に限界があります。複数のことがあっても、まず一つのことを終わらせてから次のことに進む、という流れを身につけることが、完璧主義を和らげるための第一歩です。
また、一日で終わらせようとせず、「今日はここまで」とその日にやるべきことのラインをきちんと決めることも、完璧主義を治すための方法に繋がっていきます。
完璧主義の人は、自分一人で物事を完璧にこなそうと思っていることが多いです。そのため、とても処理できないようなことや困っていることがあっても、一人でやり遂げようと無理をしてしまいます。
どう解決すればいいのかは簡単なこと。人に頼ればいいのです。自分の弱点を補ってくれる仲間が周りにはきっといるはず。誰かと協力して物事に取り組めば、「人に頼るのも一つの手なんだ!」ということに気づき、完璧主義からの脱却に繋がります。
完璧主義の人は「しっかりとした結果に到達しなければ!」ということを頭の中で強く思っているもの。「結果が出せなければ、意味がない。過程はどうでもいいものだ」と、完璧主義者の人は努力の過程を重要視できていないのです。
結果は確かに大事なものです。でも、もし結果が出せなくても、その過程の中で頑張った自分は必ずいるはず。自分の努力した道筋を振り返り、認めることができれば、完璧主義以外にも大切なものがあると思うことができます。
完璧主義者の人は「失敗は絶対に悪いこと」と強く思っています。そのため、失敗をするとそれがほんの小さなものであっても、自分を責めてしまうのです。
「失敗は成功の母」という言葉があるように、失敗は悪いことではありません。失敗したからといって、自分の価値が突然下がる訳でも、世界中の人たち全員から嫌われる訳でもないのです。失敗した自分を責めず、失敗を受け入れることも完璧主義からの脱却に繋がります。
人は自分の持っていないものを求め、羨む生き物です。ふと横を向いたときに、自分が持っていないものを相手が持っていれば、それが自分が持っているものよりもキラキラと輝いて、立派なものに見えるのです。
しかし、持っていないものばかりに目を向けて、持っているもののことを無視してはいけません。自分には自分にしかない技術や実績などの長所が必ずあります。
自分の魅力に気づくことは、自分を認めることにも繋がり、「完璧にこなさなければ周りに失望されてしまう」というような恐れを和らげてくれるのです。
真面目な完璧主義者の人は、自分を貫くあまり、時として頑固なことがあります。自分の意見だけで走り出してしまい、他人の意見を聞くということをおろそかにしてしまうのです。
他人は他人であるが故に、自分とは違う考えを持っているもの。まずは少し立ち止まり、人の意見にも耳を傾けましょう。人の意見を聞くことによって視野が広がり、「完璧主義でなくてもいいんだ」と思えるようになれます。
完璧主義の人の中には「何もかも自分一人でやらなければ、本当に出来たとは言えない」という考えを持っている人もいます。そのため、自分で自分を追い込み、自分に負担をかけてしまうため、どんどんしんどくなっていってしまうのです。
人に頼ることは、完璧主義者にとっては、勇気がいることかもしれません。しかし、自分一人で出来ないことは、人の力を借りたっていいのです。時には自分の弱さをさらけ出し、他人を頼ることも、生きていく中では必要になります。
物事に没頭しすぎて、顔を上げたら思ったよりも長い時間が経っていた…。そんな経験をしたことがある人はいませんか?完璧主義の人は、きちんと物事が終わるまで、延々と作業をし続けてしまうことがあります。
没頭しすぎて無理をしたことがミスに繋がったり、身体を壊したりしてしまえば元も子もありません。適度な休憩は作業効率も上げてくれます。自分で時間を決めて、きちんと休憩を取るようにしましょう。
「自分はなんでこんなに完璧主義なんだろう…もっと緩く生きたい…」「神経質ではなくて、もっと大らかな性格になりたい」と、自分の性格を、短所だと思っている完璧主義者や神経質な人も多いのではないでしょうか。
しかし、完璧主義者や神経質なことが長所となり得る場面もあります。完璧主義だからこその長所を知れば、自分のことを認められる日も遠くないはずです。
完璧主義な人は、自分に任されたことは何でも完璧に行うもの。仕事ももちろん完璧に行おうと努力します。そのため、周りの人がやるよりも仕事の質が高く、会社にとって良い結果を生み出すことが多いのです。
会社では、仕事が出来る人は一目置かれる存在で、時には尊敬のまなざしで見られるもの。完璧主義者や神経質な人が行う細かくて正確な作業は、周りの人を助けていることも多いのです。
待ち合わせの時間に寝坊して遅刻したり、約束をすっぽかしたり、やるべきことをやらなかったり…、いい加減な人がやりがちなこれらのことを、完璧主義の人はやりません。完璧主義者は約束だって、完璧にきちんと守るのです。
自分との約束を守る人のことを、人は信頼するもの。人からの信頼を得るのは、本来なかなか簡単なことではありません。
世の中には、飽き性の人もいるもの。やっていた仕事に飽きてしまい、別の仕事に手を付け、また飽きてしまい…の繰り返しでいつまでも一つも仕事が終わらない人や、自分でやると決めたことを簡単に辞めてしまう人など、飽き性の人は物事を途中ですぐに投げ出してしまうのです。
物事をしっかりと最後までやりとげる完璧主義者には、そんなことはありません。物事をきちんと終わらせられるということは、それだけで褒められるべきことなのです。
「集中力がすぐに途切れてしまって作業が全然進まない!」という悩みが、完璧主義者にはありません。なぜなら、完璧主義者は物事を完璧にこなせるまでひとつのことに没頭しやすく、集中力が高いのです。
集中力が続けば、それだけひとつのことに真面目に向き合う時間が長くなるということ。集中力がすぐ途切れてしまう人よりも、質のいい仕事を行うことができます。
「完璧主義は短所だ」「神経質ではなく、もっといろいろなことを気にしない性格になりたかった」こんな風に悩んでいる人もいるかもしれません。
完璧主義であることに疲れ、日々神経をすり減らしながら「自分はなんて損な性格なんだろう」と思ってしまう。
しかし、完璧主義は悪いことばかりではありません。
完璧主義者であるからこそ、発揮できる強みがあります。真面目できちんとした性格で、周りの人から「あの人になら任せられる」と信頼されます。完璧主義は長所にだってなり得るのです。
それでも完璧主義な自分に迷うことがあったら、周りの人に自分のことを聞いてみましょう。
自分が思っているよりも、あなたの完璧主義は周りに受け入れられているはず。もっともっと、自分自身のことを受け入れ、完璧主義な自分を愛してくださいね。
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。
人に話せない悩みも、今まで居場所がないと悩んでいたことも全て、ここでなら話せる。自分が一歩を踏み出せば、世界が変わる。今辛い自分は、明日には笑えるかな?そんなあなたへ。待ってるね。
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