2019.09.01

現実を忘れさせた一瞬のキスも、雨とともに流れて消えて…?

Ayano

Ayano

もうあなたの前で、目を閉じたりしないわ。

誰かがキスしてた。

甘くない、苦くて苦しいキスをしていた。

人はなぜ、キスをするのだろう。

現実を忘れるためのキス。好きすぎて仕方ないキス。愛を伝え合うためのキス。欲望まみれのキス。

キスは、たった一回で人生を変えてしまう。

たった一回きりのキスで、想いが変わってしまうこともあるんだ。

2人が目を閉じて、唇が重なり合えば、全て忘れることができる。

嫌な過去だって、面倒な明日だって、曖昧な関係だって、お互いの感情だって。

別に一方的だっていいんだ。

「苦しいね。」「とっても苦しい。」

キスは、人生をいい方向に変えるだけじゃない。

苦しくなって、混乱して、頭が真っ白になって、悲しくなって、辛くなることもある。

全てを溶かすだけがキスじゃない。

なんでこんなにも苦しい思いをしなければいけないの?

なんでこんなにも感情を殺さなきゃいけないの?

なんでこんなにも私だけ涙を流しているの?

なんでこんなにも私だけ「わからない」を繰り返しているの?

「苦しいね。」「うん。とっても苦しい。」

私の唇は、とっとかせてよ。

突然現れた彼は、きっと突然消えていくのだろう。

私の前から姿を消して、私の記憶からも消えていく。

そしてまた、新しい恋を探すんだ。

全て忘れたフリをして、記憶の扉に鍵を閉めて、新しいキスを覚える。

その時のキスは、幸せなキスがいい。

もう、心が苦しくなるようなキスなんてしたくないんだ。

本当は涙を流す前に「好きだ」と伝えたかった。

問いかけた「なんでキスしたの?」に対する返事は聞きたくなかった。

何も聞きたくない。何も知りたくない。

傷ついて苦しむくらいなら、お互いの気持ちなんて確認しないほうがいい。

私の唇は、次の素敵な恋までとっとかせてよ。

次の彼のために、綺麗なままでいたいの…

「他の人にもしてるの?」

苦しいキスを繰り返す人生だった。

小さい頃は、「初めてなキスは好きな人がいい!」なんて言ってた。「大好きな人と結婚する!」なんて言ってた。

でも大人になって気づいたのは、キスは心臓を苦しめるだけだってこと。

抜け殻になった私は、男に抱かれ、嘘を囁き、遊び遊ばれ…

慣れた手つきで、慣れたキスをして、誰かに私を重ねて。そんな恋愛もういらないわ。

それでも私は問いかけるのだろう。

「他の人にもしてるの?」って。

現実を忘れさせた一瞬のキスも、雨とともに流れて消えて…?

 

Ayano
Ayano
株式会社DariaMe代表|22歳 バイセクシャル 『生きるという当たり前に真剣に向き合います』

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