2019.07.31
ただ毎日、みんなと同じように生活しているだけなのに。
どうしてこんなに疲れるのでしょうか…。
人の目が気になりすぎて、会社の中でも仕事がしづらい。
電話の内容を聞かれている気がして怖い。
自分が怒られているわけじゃないのに、誰かが怒られていると心がキュッと苦しくなる。
毎日こんなことの繰り返しだから、ストレスは溜まる一方。
「気にしすぎなんじゃない?」
「敏感なだけだよ〜」
「みんなだって同じだよ!」
そんな言葉を言われても、疲れやすい自分を変えることは出来ない。
どうして私はこんなに敏感なんだろう?
どうして私はこんなに疲れやすいんだろう?
どうして私は自分らしく居られないんだろう?
私たちは、生きていると社会に揉まれ、集団行動を必要とされ、時に疲れやストレスを強く感じることがあります。
中でも、「HSP」という特性を持っている人は、人との生活の中で強くストレスを感じてしまいます。
この記事では、HSPとは一体どんなものなのか、HSPの人がストレスと上手く付き合っていく方法などをご紹介します。
HSPは、決して悪い特性ではありません。病気の症状でもありません。あくまで自分の性格や個性の一部として付き合っていくことができれば、強い自己嫌悪を感じてしまうことや自分を責める気持ちからは解放されます。
HSPについて知ることで、自分の特性を活かしながら暮らしていきましょう!
そもそも、最近よく耳にする「HSP」とは一体何なのでしょう。
HSPとは、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略語として広まった言葉です。生まれ持った性質から、感度が高く、繊細で敏感な人のことを指しています。後天的なものではなく、先天的な性質であると言われ、なんと5人に1人はHSPを持っていると言われることもあります。
こうして聞くと、「HSPは病気の症状なの?」と勘違いされることもあるかもしれませんが、HSPは病気の症状ではありません。あくまで性質として定義されているものです。
それでは、実際にHSPの気質を持つ人はどのような特徴を持っているのでしょうか。ここでは、HSP気質な人が持つ15の特徴ををご紹介します。
「自分はHSPなのだろうか?」と感じている人は、自分に当てはまるものがあるかチェックしながら読み進めてみてください!
HSP気質な人は、人間関係でとても疲れやすい特徴があります。
人と人との関係性の中では、誰でも疲れを感じることはあるものです。しかし、HSPであると非HSPの場合とは段違いに疲れを感じてしまいます。
相手の発言一つ一つが気になりすぎたり、それによって自分の行動が上手くいかなくなってしまったり。仕事であれば、敏感であることが要因となって自分の本領を発揮できなくなってしまうこともあります。またプライベートでも、友人や恋人の発言・行動の一つ一つが細かく見えすぎてしまい、生活する上で溜まるストレスが大きくなってしまいます。
HSPの特徴として、人の気持ちを敏感に感じ取る点も挙げることができます。ちょっとした発言や行動から、相手の感情の変化を感じ取りすぎてしまい、自分の中で苦しくなってしまいます。
人の気持ちを察知できる力は「気が回る」という点においてプラスに働くこともあります。しかし、HSPにとってはそれが自分の中では疲れを生む原因の一つとなってしまうこともあるのです。
HSPにとって、人と同じ空間にいることも疲れを感じさせる要因の一つになります。人と同じ空間が苦手なことも、HSPの特徴の一つとして挙げることができるのです。
HSPの特徴として、騒音に敏感である点も挙げることができます。騒音だけでなく、匂いなどにも敏感な場合もあります。大きな音が苦手であったり、人混みの中で聞こえる音が苦手であったり。非HSPからすると「こんな音が気になるの?」と思うような音が、HSPには騒音として聞こえていることもあります。
HSPは、些細なことでも驚きやすい特徴も持っています。たとえば、友人がふざけたつもりで脅かしてきたことに本気で驚いてしまったり。町中で他人と肩がぶつかったことに大きく驚いてしまったり。小さなことで驚いてしまうので、他人よりも驚く機会や回数が多く、その分ストレスを感じることも多くなります。
他人の視線が気になりすぎてしまうのも、HSPの特徴の一つです。職場など、見知った人しか居ない環境であっても、いつも見られている状態に身を置くことだけで疲れを感じてしまうこともあります。
たとえば、デスクの隣に座っている人の存在が気になりすぎて、業務に集中できなかったりすることも。
また、知らない人しか居ない電車内のような環境でも、人からの視線があるように感じてしまって、落ち着くことができず人一倍疲れやすいこともあります。
HSPは、競争を強いられるような環境や、競争によって実力を計られることが苦手である特徴も持っています。
競争することで、競争相手からの圧力や対抗意識を強く感じてしまい、疲れやすくなってしまいます。また、競争の結果によって発生する状況を想定してしまって、必要以上にストレスを感じてしまうこともあります。
HSPにとって、他人の感情の機微は自分にとって大きな影響を与えるものです。他人の気分しだいで自分自身も左右されてしまいます。
相手が不機嫌そうであったり、不快そうな態度を見せると、特にストレスは大きくなります。「自分はどう対応しよう」と頭を悩ませて、人一倍疲れを感じてしまうこともあるのです。
HSPが敏感になるのは、他人の感情だけではありません。強い光や明るすぎる状態にも感覚が敏感になるため、強い光を苦手に感じています。
HSPの特徴の一つとして、とても真っ直ぐな性格であることも挙げられることがあります。真っ直ぐであるからこそ、他人の感情が気になってしまった時には、相手が不快にならないようにと真摯な対応をしようと責任を感じてしまうのです。
TVや映画などで流れてくる暴力的なシーンが苦手であることも、HSPの特徴の一つとして挙げることができます。
最近では、SNSでも暴力的・刺激的なシーンを目にする機会が増えました。そういったものからも敏感に感じ取ってしまい、酷く落ち込んでしまうこともあるため、HSPは暴力的なシーンが苦手だと感じています。
HSPは繊細に感じ取る力を持っているため、新しい環境や刺激が多い環境ではイライラを感じることもあります。
刺激が多すぎると、自分が感じ取ったものすべてに対応することはどうしても難しくなります。気になることがあるのに、対応できない。そのもどかしさがイライラとなるため、HSPには刺激的な環境が苦手な人がいます。
HSPにとっては、集団の中で自分らしく居ることも難しいと感じることの一つです。集団の中に入ると、自分が求められている姿を考えてしまい、ありのままの自分で居られなくなってしまうのです。
また、集団の中での他人同士の感情も見えてしまうため、ついつい仲裁役や場の調整役に回ってしまいがちです。集団にとってはプラスな作用をもたらすこともある一方で、HSPである自分自身は疲れてしまうことになります。
生活や環境の変化がHSPをより敏感にさせる要因の一つとなることもあります。HSPにとって、生活スタイルや環境が変われば、それだけ新たに気になる要素・気づいてしまうことが増えます。そして、いきなり全てに対応することも難しいのが現実。
環境が変わることによって、より敏感になってしまうことがあるのもHSPの特徴の一つなのです。
HSPは、一つのことに対して多くの感受性を発揮します。そのため、沢山のことが一度に降ってくると、感じたこと全てに対応するのが難しくなってしまいます。それによって疲れやすいと感じたり、敏感になりすぎてストレスが溜まってしまうこともあります。
ここまで、HSPがどのような特徴を持っているのかご紹介してきました。
HSPの特徴を見てくると、「だから生きづらいんだ…。」と感じてしまった人も居るかもしれません。
しかし、HSPはあくまで特性の一つで、それが必ずしもマイナス要素であるとは限りません。
ここからは、HSPに当てはまる人がどのようにストレスと向き合っていくかをご紹介します。
自分の要素を否定せず、上手に付き合う方法を見つけていきましょう!
まず、HSPと上手に付き合っていくために大切な前提があります。それは、HSPが悪いものだと思わないことです。
「HSPはネガティブな要素でしかない」
「HSPじゃなければもっと生きやすいのに」
などと、自分の持っている特性を否定してしまうことは、自分自身を否定することにも繋がります。
今もしHSPが悪いものだと認識があるとすれば、まずはその前提を取り払うことから始めましょう。
HSPは、実生活の中で、敏感すぎるがために疲れやすいと感じることがあります。たとえば、電車などの公共交通機関を使う時には、他人の行動や音、電車の音など様々な音が気になって疲れを感じることも。
電車を利用する際には、耳栓を使用することで情報を遮断しましょう。これは電車だけでなく、自分にとって情報が多すぎると感じる場所であればどこでも応用ができます。
イヤホンで音楽を聴くのもおすすめの方法ですが、時には音楽さえもが邪魔な情報となることもあります。自分の状態によって使い分けるのがおすすめです。
HSPは、一つの情報から多くのことを敏感に受け取ります。そのため、近年私たちの生活に密接しているSNSからの情報は、時にHSPが疲れやすいと感じる要因の一つとなることもあります。
SNSやインターネットからは、自分がほしいと思っていた以上の情報が流れてくることもあります。それによってストレスが大きくなっていると感じた時には、情報を遮断して「あえて見ない」という選択を取るのも、上手な対処法の一つです。
HSPは、他人の感情を敏感に受け取り、察知するため、人と一緒に居る時間で疲れを感じやすいものです。そんな場合には、一人の時間を意識的に設けるようにしてみましょう。
一人の時間を取ることで、疲れた心を癒やすことができます。また、誰にも邪魔されることなく自分だけに集中することもできます。
どんなに気心の知れた相手であっても、一緒に居ることで疲れてしまうこともあります。「一人の時間が必要なタイプなんだ」と予め伝えておくことで、必要以上な配慮を生むことなく相手との距離を取る時間が作れます。
他人の感情を感じ取りやすいHSPにとって、常に高圧的な態度を取る人はストレスの要因となりやすいものです。高圧的な人とは、出来る限り距離を置くように意識してみましょう。
とは言っても、職場の上司や親戚関係など、どうしても距離を取れない場合もあります。そんな時には、相手が自分の目の前に居ないと意識することがおすすめです。具体的には、自分と相手の中には一枚の板が挟まっている状態であることを意識してみてください。また、高圧的だと感じたら、物理的に一歩下がることで相手との距離を取ることもできます。
HSP気質を持っている人は、相手の感情を敏感に察知できるため、ついつい相手に合わせがちです。気を配ることができるという点では素敵な要素ですが、それによって自分自身が疲れてしまうのであれば、元も子もありません。
相手と自分の意見が違う時には、無理をして相手に合わせようとするのはやめましょう。時には「自分はこうしたい」と伝えることも、人間関係で疲れないためには大切なことです。
相手が気持ちよく過ごせるように、と考えすぎてしまうHSPの人は、何か頼まれたことやお願いされたことを断るのが苦手です。ついつい「大丈夫!」「いいよ!」「全然平気!」などと口走ってしまいます。
自分がストレスを抱えすぎないためには、時には断る勇気も必要になります。HSPは相手の感情を汲み取って、相手の意志を尊重することが得意です。得意なことは得意なこととして持っておき、状況に応じて「NO」と言えるようになる練習をしましょう!
HSPは他人の感情を読み取ることに長けているため、つい自分の感情を抑え込んでしまう癖があります。
これまで押し込めてきた自分の素直な感情を書き出してみることで、自分が抱えたストレスをまずは認識してみてください。ストレスをストレスだと認識すらしていない可能性もあります。
まずはストレスに感じていることがどんなことなのか、素直な自分の気持ちを知りましょう。それから、「じゃあどうやって行動するか」を考えていくことが大切です。
HSPの特徴として挙げられるものは、社会の中に組み込まれて生活していく中で疲れやすいと感じやすくなるものが多くあります。しかし、その特徴が悪いものであるわけではありません。
たとえば、HSPだからこそ人の気持ちにいち早く気付ける。
たとえば、HSPだからこそ集団を円滑に回すことができる。
たとえば、HSPだからこそ仕事のお客様に気持ちよく居てもえる。
HSPが良く作用することも、生活の中ではたくさんあるのです。HSPの感受性を全て否定するのではなく、良い部分を活かすことも大事なことです。
HSPにとって、集団生活や職場での人付き合いはストレスを感じやすくさせるものです。
どうしてもストレスが溜まりやすい場合には、そのストレスを発散できる趣味を見つけましょう。一人でおこなうものでも、人と一緒におこなうものでも、自分が楽しいと感じられることであればどんなことでも大丈夫です。
ストレスが溜まった時に、そのままストレスを放置してしまっては、ストレスが大きくなる一方です。自分なりの発散方法を持つことで、溜まったストレスを上手に解消していきましょう。
「HSP気質な自分には、どうしても今の仕事が向いていない…。」
そう感じる人は、思い切って転職を検討するのも対処法の一つです。自分が自分らしく居られる仕事を探してみるのもいいでしょう。
ただ、環境が変わることによって発生するストレスもあります。自分の心に負担がない形を見つけながら、焦ることなく新しい道を探してみてください。
HSPにとって、ストレスが溜まりやすい毎日の中にはリラックスする時間を設けることが大事です。
自分なりのリラックス方法を見つけて、毎日のルーティーンの中に組み込んでみてください。
一日の終わりにリラックスする時間を取ることができれば、溜まったストレスを翌日に持ち越してしまうこともなくなります。
HSPにとって、HSPである自分を否定してしまうことは何の解決にもなりません。むしろ、「自分」という存在により苦しめられてしまうだけです。
HSPには疲れやすい特徴もありますが、その分良い一面もたくさんあります。
自分の特性を認めた上で、HSPと付き合っていきましょう!
敏感すぎる自分。疲れやすい自分。
ただ生きづらいだけだと思っていたけれど、HSPは自分の大事な特性の一部分だった。
HSPが「私らしさ」を形成してくれている部分もあった。
HSPは、生きづらい人間が持つ特性ではない。
HSPは、「敏感な人間」という特性の一つでしかない。
そんな特性とどう付き合っていくのか。
それこそが、自分らしく生きるために考える大事なポイント。
HSPでも、生きやすさは実現できる。
人間には、一人ひとり色んな特性がある。
他人と似ている、同じような特性を持っていることもある。
全然違う特性ばかりを持っている人も居る。
それでいいんだ。
他人には他人の特性があって、私には私の特性がある。
HSPは、私の特性の一つ。
この特性を持ちながら、私は「私らしく」生きることを実現すればいい。
否定しがちだった、疲れやすい自分。敏感すぎる自分。
これからは、そんな自分とどう付き合っていくかを考えていこう!
※この記事は、悩んでいる方に寄り添いたいという想いや、筆者の体験に基づいた内容で、法的な正確さを保証するものではありません。サイトの情報に基づいて行動する場合は、カウンセラー・医師等とご相談の上、ご自身の判断・責任で行うようにしましょう。
人に話せない悩みも、今まで居場所がないと悩んでいたことも全て、ここでなら話せる。自分が一歩を踏み出せば、世界が変わる。今辛い自分は、明日には笑えるかな?そんなあなたへ。待ってるね。
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