2019.03.07
多分、長く続いた方だと思う。
あまり人に知られていない関係だったとしても。
お互いSNSにカップルとしての何かを載せることはなかったし、
ツーショットも撮ることはほとんどなかった。
優先順位は友達だったし、仕事だったし、連絡だってちょうどいいくらいの頻度。
お互いの相談や愚痴は黙って聞いて、発散するだけ。
それでも好きだったし、お互いの距離感もきっとちょうどよかったし、好きだった。
だから、別れた。
まだ、完成しないまだまだ積み重ねられる猶予を残して。
何も不満のない関係が良いのかと言われれば、私は答えられないけれど、少なくとも私は、良いと思っていた。
だから、続かなかった。
それでいいと思ってしまったから。
浮気の心配なんてしたことがなかったのは、確かに感じられる「好き」を日々痛感していたからだし、
とやかく言わなかったのは、言わずともお互いの距離感に困ったことなどなかったから。
ときめかないことは悪ではないことを私たちは知っていたし、知っているつもりでもあった。
言えないのか、言わないのかももうわからなくなってしまうくらいに、私たちは一部だけ溶け合っていた気がする。
だから、お互いの本音も建前もわかったようでわからなかった。
わかっているようでわからなかった。
浮気の心配なんてしたことがなかったのは、確かに感じられる「好き」を日々痛感していた(気がした)からだし、
とやかく言わなかったのは、言わずともお互いの距離感に困ったことなどなかった(気がした)から。
ときめかないことは悪ではないことを私たちは知っていた(気がする)し、知っているつもりでもあった(気がする)。
全て、「気がする」だけの私の、彼の、思い込みだったかもしれないけれど。
好きだった期間は短かった気もするし長かった気もする。
ただし、終わるときは、あっという間だ。
1分もしない。
大好きな人との別れは、多分辛いし多分悲しい。
でも同時に、とても簡単だ。
どこかで、「まあ、そうだよな」とも思っているし、
「こんなもんなんだな、別れるのって」と思ったりする。
大好きだから別れた。
嫌いになって、腹が立って、縁を切りたいと思う前に、別れた。
これから加速していくであろう、「嫌いなところ」で「腹の立つところ」で彼を選んだ自分のことを卑下したくなかった。
大好きなうちに終わらせれば、そんなことはなくて済む。
大好きなまま。いいところをたくさん知ったまま。優しい言葉をもらったまま。
「私たちはいいカップルだった」という前提で。
そのままの彼で留めておける。
嫌なところに挟まれてオセロのように一つ一つ、塗り替えていく必要はない。
何より私は傷つかない。
だから別れた。傷つきたくなくて。
「なんで別れたの?」
「大好きだから、別れたんだよ」
の一言で、全て収まるうちに。
人に話せない悩みも、今まで居場所がないと悩んでいたことも全て、ここでなら話せる。自分が一歩を踏み出せば、世界が変わる。今辛い自分は、明日には笑えるかな?そんなあなたへ。待ってるね。
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