2019.02.18
恋が叶った。
片思いが、両思いになった。
それなのに、何故?
どうして私は、いつまでも片思いをしているのでしょうか?
これは片思い?それとも、本当に両思い?
私は、貴方の言葉、行動、全てに一喜一憂して。
貴方にもっと好きになってもらいたいと、ただひたすらそう願っていた。
貴方が好きだと言ったブランドの服を買った。
貴方の反応が悪かった服は、もう着ないと、捨てた。
貴方の好きな音楽を聴いた。
貴方の生き方に憧れた。
貴方の背中が大きく見えた。
貴方はとても強くて、私が絶対に超えることのない人だと、信じてやまなかった。
私はこの人に着いて行きたいんだと、ずっとそう信じていた。
いつだろう。
なんだか簡単に、崩れてしまったの。
自分がどこに居るのか、分からなくなったの。
貴方を追いかけるだけの自分に、自分は居ないことに気付いたの。
私は貴方の操り人形じゃない。
貴方のモノでもない。
私は、私なんだから。
でも、そんな「私」は、一体どこに行ってしまったのかしら。
私は、「私」をどこに置いて来たのかしら。
もう、本当の自分がどこに行ったのか分からなくなってしまったわ。
恋は、脆く儚く、いとも簡単に崩れていった。
私が信じていたものなんて、結局どこにも存在していないものだった。
「信じていた」ものは、いつの間にか「信じなければいけない」ものになっていた。
私は、どこで間違えた?
どうしてもっと早く気付けなかったのかしら。
貴方は、私を見ていない。
貴方が見ているのは、「貴方のことが好きな私」だった。
そして、私は私で、悪者で。
「貴方のことが好きな私」を、ずっと一生懸命に演じていた。
いつの間にか私の素直な気持ちは、演じている自分になっていた。
きっと、「恋」というものは
脆ければ、脆いほどに。
儚く散れば、散るほどに。
美しさを増してしまうものなのでしょう。
そうやって崩れ去ったものに、私たちは何故だか魅了されてしまうのでしょうね。
私の恋は、脆く儚く崩れたからこそ、今はもう「美術品」として記録されている。
そんなもの、家に置いておいたらスペースを取るだけだから、美術館に寄贈して、私の手元を離れたところにひっそりと置いてもらって構わないわ。
そして、私がその美術館を訪れることは、決してない。
もう、見る必要もないほどに、見飽きたから。
長く続いた恋は、いつまで経っても色褪せることのない’片思い’でした。
終わってみて、その色はいとも簡単に、褪せていきました。
私には、もうあの頃見ていた色を完全に思い出すことは出来ない。
思い出はあっても、そこにあるのは、セピアだけだから。
人に話せない悩みも、今まで居場所がないと悩んでいたことも全て、ここでなら話せる。自分が一歩を踏み出せば、世界が変わる。今辛い自分は、明日には笑えるかな?そんなあなたへ。待ってるね。
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久保佳奈子
恋の脆さと儚さを知った。儚く散ったからこそ、美しく見えてしまうのかもしれないね。