2019.01.22

高いお酒じゃ酔えないの…

DariaMe編集部

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キャバ嬢はキラキラした夢を見せる仕事をする人間。決して、汚い仕事じゃない。

あの世界は…

細いグラスにたくさんの細かい泡たちが踊ってる。

キラキラした世界。シャンデリアとシャンパンとビジューがたくさんついたドレス。

今日も知らないおじさんとその横で寄り添って微笑む女の子たちが眩しくも掠れて見える。

「私も、夜の世界で戦わなければいけないのか…」

最初はそんなこと思ってた。

でも、一言。

「あれは私の天職だった。」

ネイルを剥いじゃう癖があって、唇の皮を剥いてしまう癖があって、ヒールを擦って歩く癖があって、髪の毛をすぐ染めてしまう癖があった私には、向いていない世界だった。

毎月きちんと脱毛に行って、エステに行って、注射を打って、ネイルに行って、美容室に行って、コスメを買い漁って。

あぁ、今月も疲れる。

そんなこと思いながら不向きな世界で戦った日々のお話。

夢を見ていたんだろう…

朝焼けが綺麗だなんて思うこともなく、ネオン街を朝方歩く私は決して綺麗とは言えない見た目だっただろう。

落ち掛けのメイク。

今にも吐きそうな気持ち悪い胃の中。

自分の足に合っていない高さのヒール。

身ぐるみ剥がされることが怖くて、全部隠して隠して隠して、知らない誰かになりきって生きていた。

というよりは、源氏名の自分と現実の自分は他人だと思うようにしていた。

あの世界はきっと、夢だったんだろう。

空中浮遊して、現実とは離れた世界で生きていたんだろう。

毎月毎月、どんどん上がる給料。

封筒に入れられた札束。

それを受け取ることにも慣れてきた。

何も思わずに札束の帯を外して十数枚財布に入れて、夜の街に出かけていた。

お金の概念とかよくわからなくなった。

1時間に何万稼いでいるのかなんて、わからなかった。

女を売るとは…

アフターだって同伴だって、太客になってくれるならいくらでも行った。

サパーは嫌いだった。

せっかくなら美味しいお寿司食べて出勤する方がよかった。

「早くきて」なんて言葉を投げつけては来てくれたお客さんに媚をたくさん売った。

媚を売っていたのか、女を売っていたのか…

でも仕事している時は自然と楽しくなっていて、『女を売っている』という感覚はなかった。

「女を売っていて、キツイ時ないの?」と友人に聞かれても、お客様に聞かれても、正直そんな格好いいものじゃないんだよな。と思っていた。

気持ち悪いお客さんなんて質の低いお店にしか行かないから、私は出会う機会も少なかった。

もちろん何か商材があって売っているわけではなく、自分という商材を売っているのだから、『女を売っている』と思われるのは必然だ。

でも、働いている時はとにかく必死だったから、そんな格好いいこと考えることすらできなかったわ。

色恋も色仕掛けも、みんなができるわけじゃないし、、、ね?

娯楽の場と狂った私…

娯楽の場で働いていると、狂ってしまってよくわからなくなる。

現実と非現実の差も、もうわからない。

帰宅中は営業メールを飛ばしまくった。

「今日はありがとう♡」とか「今週いつ来る?」とか「早く会いたい」とか「いつでも待ってる♡」とか「来てくれるなら、その日〇〇のために出勤する♡」とか…

寝ぼけながら、今にも閉じそうな目に目薬さして送ってた。

サラリーマンの仕事終わり時間にも大量のメールを送った。

これは努力と呼んでいいのか…

当時の私には何もわからなかったけれど、とにかくやれることを何でもやった。

どんなに辛くても、娯楽の場では常に笑顔。

常に会話をし続ける。

喉を壊したら終わりなのに、高いお酒をアホみたいに飲んで喉を潰した。

もう、高いお酒じゃ酔えないの…

DariaMe編集部
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悩める若者向け共感型メディア『DariaMe』編集部

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