生活の隣にいつもある。そのタバコが支えなの。

生活の隣にいつもある。そのタバコが支えなの。

夢なんてないし、希望なんてない。

夕方の空、電気をつけないと部屋の中が暗くて見えなくなってきた。

この時間が無性に好きだ。

この時間に窓も開けずに吸うタバコ。

窓に向かって吐いた煙は雲ひとつない夕日に雲をかけてるみたいで好きだ。

ゆっくり上がっていく煙、部屋の中の嫌な空気。

そんな時間にふと思う。

「私なんのために生きてるんだろう」

そんなの誰にもわからないし、「誰かが教えてくれるんだろうなぁ」なんて信じて21年も待ってしまった。

ベッドの上に転がったカメラに手を伸ばし、咥えたタバコから吐く煙をレンズ越しに見つめてみた。

なんでレンズ越しになるとこんなに世界は美しく見えるのだろう。

時間は切り取れないのに、なぜ静止画にすると美しく感じるのだろう。

別に、特別なことは何もしていないのに。

世界は予測したり予想して生きない方が幸せなのではないかと思わせてくる。

夢も希望も何もない。

休日夕方まで寝て、キャンバスに向かって昨晩の続きを描き出す。

次はタバコじゃなく筆を咥えて。

私何が楽しいんだろう

ボサボサな髪の毛に洗濯でヨレたTシャツを一枚着て、あぐらをかきながらキャンバスに描く絵は誰にも見せられないような自分の感情で溢れてた。

絵を描き始めて1時間後

「お腹すいたな」

冷蔵庫には何も入っていなくて、買い置きしていたカップ麺にお湯を入れた。

女の子の生活とは思えないな…

ベッドの上には散乱した洋服。

床には大量の画材や雑誌の切り抜き。

不思議、これもレンズ越しでは美しく見える。

生々しく人が生きている状況が一枚の写真から見て取れる。

でもなんで現実はこんなに汚いんだろう。

私の生活の隣にはいつもタバコがあって。

赤いパッケージ。12mm。

この重さがちょうどよく心臓に届く。

体が蝕まれているような感覚を覚えながらも、やめられない。

煙みたいに消えちゃえば

私もタバコの煙みたいにゆっくり形を壊して消えてしまいたい。

二酸化炭素たちに溶け込みたい。

タバコを吸っている時間は物事をよく考える。

俯瞰してみたり、ぼーっと見つめているものに対して疑問がたくさん生まれたり。

だから好きだ。

タバコを吸っている時間は孤独もノイズも全部全部忘れられる。

このまま時間が通り過ぎていけばいいな。

気づいたら自分も煙になってこの空気の中に溶け込めたらいいな。

そしたらきっと親から「将来のこと考えてるの?」って電話も無視できる。

友達の「就活してないの?」って声も聞こえなくなる。

彼氏に「もう少し女の子らしくなって」って意見も聞かなくて済む。

全部全部、聞かなくて済む。

バイトにだっていかなくていい。

あんな人が多い町に行かなくて済む。

きっとその方が私にはすごく似合っている。

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