2018.10.30
10月中旬、夜の公園。
あなたの手が私の手に触れた時ちょっと冷たくて、夏が一夜で寒さを連れて来た。
「もう寒いね…」そんな掠れた声が愛しかった。
小さい頃から来ていた公園、大人になった今変な気持ちになる。
ブランコに腰掛けたら、小さい頃は足が届かなくてお父さんに「まだブランコは早いよ」と言われてたことを思い出した。
今腰掛けるブランコはとても低くて、自分の成長を肌で感じた。
彼のビニール袋の中はコンビニで買って来たビールの缶が2つ。
缶を開ける時のタイミングが合って音が重なる。
2人で目を合わせるわけでもなくて2人で小さく足でブランコを揺らしながら何気ない話を繰り返した。
気づいたら少しずつ熱くなって夢の話をお互い語り合ったりした。
ブランコの目の前にある大きな一本の木を見つめて目が合うわけでもない。
ふと隣を見たときに木を見つめる澄んだ目は都会の空気を綺麗にするくらい美しく光ってた。
また木を見つめて2人で話を続けた。
あなたがこっちを向いているのがわかって、でも目を合わせたらなんか恥ずかしくなっちゃいそうで顔を見ることができなかった。
ブランコから立ち上がって、ふとこっちに歩いて来た彼。
頬に暖かくて柔らかい唇が触れた。
冷たい風が当たって寒さを感じていたのに突然顔が熱くなった。
ドキドキして戸惑うほどじゃない。
初めてのことじゃない。
でも、なんか恥ずかしくて目を見ることができなかった。
照れ隠しするために「何してるの?やめて」と笑いながら言ってみた。
「何それ。照れ隠し?」と言った彼。
いつもお見通し。いつも全部バレてしまう。
私の心をいつも見透かして、彼には勝てないなと嫌になるくらい思わせてくる。
彼からのキスで私の秋は一瞬で暖かくなった。
夏の終わりはどこか寂しさを感じて、どこか喪失感に見舞われる。
でも、あなたが隣にいれば春も夏も秋も冬も暖かくて幸福感に満たされる。
あなたがいれば寂しさなんてどこかに飛んで行ってしまう。
これから来るハロウィンもクリスマスも年越しもバレンタインもあなたの誕生日も。
全部全部楽しみでしょうがないの。
クリスマス当日はケーキが2つ並ぶんだろうな。
イエスキリストの誕生日とあなたの誕生日。
チョコレートケーキとショートケーキ。
もうすぐそんな甘い季節が来る。
あなたの隣でずっと甘く暖かい季節を過ごしたいの。
人に話せない悩みも、今まで居場所がないと悩んでいたことも全て、ここでなら話せる。自分が一歩を踏み出せば、世界が変わる。今辛い自分は、明日には笑えるかな?そんなあなたへ。待ってるね。
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Ayano
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