2018.10.28
夏終わりに出会ったその人は素敵なジェントルマンだった。
すらっとした体型に、綺麗に整えられたひげ。
高そうなスーツに身を包んで、時計はざっと200万くらいだろうな。
年齢は36歳。正直こだわりが強すぎるから結婚できないんだろうなと思ってた。
でもね?あのね?
…早まるところだった。順を追って話そう。
※世の中は闇だらけだなと思わせてしまうので、童貞と純粋な女の子は読まないでください。
出会ったのは5月の終わり。
某有名ホテルのラウンジで隣に座ってた人。
(うわぁ、綺麗な顔…理想のおじ様…竹野内豊そっくり…)
それが第一印象。
癖で薬指を見てしまう。指輪ははめてない。
合わせて、着ているスーツのブランド、つけている時計のブランド、靴も見てしまう。
全部一級品。上から下まで完璧。
誰かとの待ち合わせだろう。時計を気にしてた。
彼が立ち上がった瞬間に名刺入れを落とした。
たくさんの名刺が落ちてしまって、私の足元にまで転がって着た名刺を数枚拾って渡した。
(この名刺の系統は、この人不動産関係だな)
「ありがとうございます」そう言って笑った彼の笑顔は私を一目惚れさせるには充分すぎた。
そして私は連絡先を聞くこともできず、彼は去っていった。
それから数日後、彼と再会した。
当時のバイト先の仲良いお客さんにご飯に誘われ、西麻布に行った時。
お客さんの携帯に電話がかかってきて、突然「今から不動産関係の友達ここに来ても平気?」と聞かれて、「もちろん」と言った。
それから数十分ほどで到着した人は…あの時の彼だった。
もちろん、運命を感じた。もちろん、これは付き合える!と思った。
相手は私のことなんて全く覚えていなくて、それでも連絡先を交換できた。
それから数日後初めて2人でご飯に行った。それから週に2回食事するのがルーティンみたいになった。
気づいたら付き合っているんだろうなと思うくらいの関係だった。
でもお互い自分の口から「付き合おう」と言うことはなくて、あの頃の私はそれでもよかった。
再会してから2ヶ月経った頃、「私があなたのこと好きなの気づいてるよね?」って聞いてみた。
小さくうなずいて、その日から体の関係が始まってしまった。
8月に入った頃、「明日から一週間、仕事でハワイに行ってくるから来週は会えない。」とメッセージが届いて、「わかった。行ってらっしゃい。」とだけ返した。
一週間後、帰って来て焼けた肌の彼も格好良かった。
いつものようにご飯を食べて、いつものようにたくさん笑って、そのままホテルに向かった。
ホテルについて2人でベッドに横になって数分後。
彼の手を触ってた時、
「は?お前なんで薬指だけ日焼けしてないの?」
「え?」
「ちょうど指輪の形だね。しかも左手かよ。」
そう言って彼の手を放り投げた。
「待って。」
もういい。不倫相手になってしまったことは初めてじゃないから。何も気にしない。
(またこのパターンか。今回は結構本気だったんだけどな。)
そんなことを思いながら頭が沸騰して暴言を吐き続けた。
「お前よくこんなことできたな」
「これは恋愛だと思ってたけど、パパ活なの?」
「仕事でハワイ?仕事中は指輪つけてるの?」
「携帯見せろよ。お前結婚してんだろ?」そんなことたくさん言った。
言いながら涙が溢れ手前がどんどん見えなくなってきて、最初は枕で殴ったり、素手でお腹叩いてみたりしたけど…
その力すらなくなって膝から崩れ落ちた。
それを彼は優しく抱きしめるんだけど、「お前何の面下げて今抱きしめてんだよ」って思った。
「本当にごめんね」なんて言いながら抱きしめるって最低の極みだよね??
「頼むから消えて。今すぐ消えて。」そう言いながら本当は今独りにされたら崩壊しそうだった。
わかるか、お前ら。
パパ活も不倫も全部全部傷つくのはこっちなんだからな。
彼女がいるだけならまだ良かったよ。
人に話せない悩みも、今まで居場所がないと悩んでいたことも全て、ここでなら話せる。自分が一歩を踏み出せば、世界が変わる。今辛い自分は、明日には笑えるかな?そんなあなたへ。待ってるね。
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