2018.10.20
「あなたの将来の夢はなに?」
生まれてから、何度この問いかけをされただろう。
自分のなりたいものはなんだろうと、何度悩んだことだろう。
最初の記憶は、幼稚園の卒業アルバム。
私の夢は、ケーキ屋さんだった。
当時の私は、ケーキを食べられなかった。
甘すぎるものは得意ではなかったのだ。
でも、将来の夢は「ケーキ屋さん」にした。
隣の女の子がケーキ屋さんと書いていたから、同じにした。
多分、なりたいものはなかったんだと思う。
幼い頃からピアノを続けていた私は、次第にピアニストになりたいと漠然と思うようになった。
中学生に上がった頃には、将来は音大に行こうと思っていた。
でも、小6で始めたサックスの方が楽しくなってきて、
どっちの楽器を専門にしようかと悩んだりもした。
気づいたら高校受験を終え、それなりの進学校に入学していた。
周りには、自分より勉強のできる子がたくさん居た。
学校では、学年集会のたびに「国公立大学に合格しよう」と言われ続けた。
そっか、音大に行くと、優秀な人にはなれないのか。
いつの間にか私の将来の夢は、「国公立大学合格」になっていた。
大学に入学した。
受験は大失敗したが、滑り止めの私立大学に入ることにした。
大学生活の大半は、音楽をやって過ごして居た。
楽しかった。とにかく楽しかった。
でもなぜか、それを仕事にするという選択肢は私にはなかった。
気づけば就活をし、内定をもらい、大学生活も残り半年となっていた。
就職活動は楽しかったし、内定もすごく早く頂いた。
でも、ふとした瞬間に何度もよぎるワードがあった。
私って、OLになりたくてここまで走ってたんだっけ?
そのあと私は、病気になって、自分の人生を見つめ直してみた。
私はこれまで、自分に今見えている範囲のものにしか挑戦して来なかったんだなと、後になって気付かされた。
将来の夢は、自分のいる環境で選び取れるものの中から選んでいただけ。
今の私に、将来の夢はない。
というか、将来っていつですか?
明日?1年後?10年後?
決めようと思えば言語化することもできる。
やりたいことだって成し遂げたいことだってたくさんある。
でも、そんなの明日には変わっているかもしれない。
人は生きている限り変化する。
だったら、「将来の夢」という言葉に縛られて、自分の幅をあえて狭めることをする必要もない。
明日には、また新しいものに出会うかもしれない。
これまでになく心が熱くなるものに胸を打たれるかもしれない。
強いて言うなれば、私はそういうものに出会った時に、迷わず選択できる人間でありたい。
人に話せない悩みも、今まで居場所がないと悩んでいたことも全て、ここでなら話せる。自分が一歩を踏み出せば、世界が変わる。今辛い自分は、明日には笑えるかな?そんなあなたへ。待ってるね。
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