静かに海の底へ沈んでいく恋

静かに海の底へ沈んでいく恋

深い深い海の底

深い深い海の底に落ちたように恋をした。

もう海の中から地上は見えなかった。

そのくらい深く深く…

退屈な毎日にあなたが現れて、あなたが現れた瞬間私の世界は180度変わった。

あなたがいない日常が考えられなくなるくらい。

ささやかな愛を幸せだと感じた。

小さな優しさを愛だと感じた。

そのくらい周りが見えなくなって、私の視界にはあなたしか映らなかった。

もう二度と…あんな恋はできない。

あなたが居れば世界なんて…

ある日、無神経に放り投げた言葉。

「あなたとこの世界を抜け出したい。この世界で2人きりになりたい。」

困らせる言葉だけ放り投げて受け取ってくれることを願った。

会うたびに世界一の幸せ者になれたし、勝手に運命だって信じて結婚するんだと思ってた。

私はこの人と運命の赤い糸で結ばれてて、出会ったのも必然だ。そう思った。

雨の中、強く抱きしめてくれて

「泣いていいよ」と言われた時にはもう恋に落ちてた。

海の底に向かって静かに沈んでた。

どうしても欲しくて、どうしてもあなたが欲しくて…

あなたの目に映るのは私だけがいい。

あなたの鼻が嗅ぐ匂いは私が吸うタバコのフレーバーと赤ワインが混じり合った香りがいい。

あなたの耳に届く音は私の甲高い声だけがいい。

あなたの手は私の手を握ることと私の頭を撫でるためだけに使ってほしい。

あなたの腕は私を抱くために存在していてほしい。

あなたの足は私を迎えにくるときだけ走ればいい。

あなたの体全て私のものになればいい。

あなたの心臓の音は私だけに聞こえていればいい。

私以外の人に触れてほしくない。

私以外の人全て、あなたの周りから消えてほしかった。

「あなたともう一度初めから恋がしたい」

そんな彼の海から上がって少しした頃。

「あなたともう一度初めから恋がしたい」と言われた。

そんな臭い言葉を平気で投げられるあなたが好きだった。

でも、それでも私は手放した。

二度と会えなくてもいい。二度と抱いてくれなくてもいい。二度と笑いかけてくれなくても…

そう思いながら私の心は引き裂かれそうだった。

気づいたら彼は自由に空を羽ばたいてた。

私だけ置いていかれるのが怖くて、どうしても怖くて…

何度も何度も名前を呼んでも、もう私の声なんて届かなかった。

「いつでも飛んでいく」その言葉は愛してたから言えた。

今は、飛んできてくれない。

最後の恋だと何度誓っても大半は最後じゃない。

これからどんな人と出会って、どんな人と恋をして、どんな人を愛するんだろう。

私以上に愛する人なんていなきゃいいのに。

「さよなら。私を引きとめなかったことを永遠に後悔してください。」

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