2018.10.17

母の涙。私が泣かせてしまった。

久保佳奈子

久保佳奈子

この世で一番悲しい涙。流す必要のない涙。

平凡な家庭

我が家はいたって普通の家庭だ。

両親には愛されて生きてきたし、
たまに兄弟とケンカもしながら、仲良く過ごしていた。

私は、部活と勉強と習い事を頑張ってる、普通の女の子だった。

初めての挫折

病気になったことは、自分の人生で初めての大きな挫折とも言える状況だったのだろう。

生まれて初めて、「死にたい」と本気で願った。
自分の感情をコントロールできなくなった。
溢れ出る涙の止め方も、分からなかった。
なぜ泣いているのかも、分からなかった。

自分という存在が、自分の手からこぼれ落ちていった。

母は、強い。

自分で処理できない感情を、私は家族にぶつけることしかできなかった。

「死にたい」気持ちを押し殺したら、本当に実行してしまいそうで。
それが怖くて。
毎日のように、母に「死にたい」と言った。

母は、優しく抱きしめてくれた。
頭を撫でてくれた。
母の強さを感じた。

母の涙

そんな母が泣いたことが何度かあった。
実父のお葬式でしか見たことのなかった母の涙。
私が、泣かせてしまった。

母の涙ほど辛いものは、ない。
自分のこころがしんどいとか、苦しいとか、
そういう次元ではない。

自分を誰よりも大切にしてくれる人。
自分を無条件で愛し続けてくれる人。
何があっても側に居てくれる人。

そんな人の悲しい涙は、見たくなかった。
泣かせたくなんてなかった。

母が泣くと、私はいつも「ごめんね」を連呼する。
それしか出来なかった。
謝ることは何もないのよ、という言葉さえ、苦しかった。

いつかまた、母の涙が見たい

私の病気は、私の人生にとっては、大きな転機で。
もっと苦しい思いをされている方もたくさん居るだろうけれど、
比較をしても仕方なくて。

自分にとって、とても辛かった経験を通して、
私は母の強さと弱さを見た。

当たり前のように側に居てくれる人の存在の大きさを知った。
笑って過ごせる毎日が、幸せなんだと知った。

この幸せに気づくことができてよかった。

いつかまた、母の涙が見たい。
今度は、笑いながら、嬉しそうに、泣いて喜んでいる母の姿が見たい。

 

人に話せない悩みも、今まで居場所がないと悩んでいたことも全て、ここでなら話せる。自分が一歩を踏み出せば、世界が変わる。今辛い自分は、明日には笑えるかな?そんなあなたへ。待ってるね。

 

久保佳奈子
久保佳奈子
1994年生まれのライター・エッセイスト。不安障害/うつの経験から、生と向き合うようになりました。健やかに生きるための方法や、メンタリティについてをメインに書いています。

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