2018.10.13
バレエを初めたのは3歳の時。
その日から私はバレエが生きがいだったの。
クラシックバレエ、ただキラキラして見える世界。
キラキラしていて、美しい世界だと思われる。
でも全然違う。
公演ではキラキラして美しいように魅せる。
美しく魅せるためには長い時間が必要なの、果てしない練習が必要。
そして、女同士の妬み嫉みが激しそうだとも思われる。
それは全く違う。常に戦うべきは自分だし、鏡に映る自分が全て。
他人と戦う暇があったら、鏡に映る自分をどんどん美しくしていくことが大切。
そうやって公演に向かってみんな進んでいく。
3回転したいと思って何度も何度も練習するんだけど永遠にできなくて、それが本当に悲しくなる。
できない悔しさと、努力不足の悔しさと、全部全部悔しくてたまらない。
下を向いたら涙が零れてくるのわかっていて、下を向けなかった。
ふと下を見た瞬間に涙が床に零れて滑ってしまうの。
そんな日々を繰り返していると、努力することが苦痛だと感じなくなってくる。
どんなことがあっても、やればできるとわかってる。
努力は必ず報われるとは限らない。
でも、努力はしてみないとわからない。
だから私は涙で滑ったあの床を忘れない。
何足もダメにしたトゥシューズ。
履き潰してしまった。
1足2万円もするような靴だけど、2,3ヶ月もあればダメになる。
もっと短い時だってある。
公演のために綺麗なトゥシューズを買う。
何足も何足も。
家の片隅の白い大きな箱にどんどん使い古したトゥシューズが並んでいく。
トゥシューズを脱いだ私の足は、親指が内出血して爪が真っ黒。中指と薬指にはマメができる。
それでも練習してる時は痛いことすら忘れる。
何度も何度もやめようとしたバレエを続けていたのは、生きがいだったから。
そうやってこの先も頑張れるんだと思う。
この先、どんな困難があっても頑張れるって思えるのは、「私ならできる!」って思えるのは、バレエで培った経験があったから。
ずっと頑張れる、絶対に。
何足もダメにしたトゥシューズは私を強くした。
たった1回の公演に何十時間、何百時間もかけて練習する。
これからもたった一つの何かのために何十時間、何百時間も掛けるんだろう。
その時は思い出す。
絶対に捨てられなかった一足のトゥシューズを握りしめて寝る。
最後の公演で履いたトゥシューズを。
人に話せない悩みも、今まで居場所がないと悩んでいたことも全て、ここでなら話せる。自分が一歩を踏み出せば、世界が変わる。今辛い自分は、明日には笑えるかな?そんなあなたへ。待ってるね。
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