2018.09.10

曲よりモノより香りが一番残酷じゃない?

mayan

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香りは世の中に溢れかえっていて、だからこそ簡単に見つけられてしまうことが憎い。

音と香りは、拒否できない。

例えば、アパレルショップ

例えば、どこかのカフェ

自然と感じ取ってしまう、嗅覚が憎い。

世の中に、香水なんていくつもあることはわかっている。

その香水を愛用しているのが彼だけじゃないことも。

そんなことはわかっているし、もう彼は、その香りじゃないかもしれない。

私の知っているあの時の彼が、その香りなだけで。

ただ、香りが呼び起こす記憶は強烈で、鮮明だ。

あの時の場所も、会話も、歩いた街並みすら思い起こさせる。

食べたもの、飲んだもの、その時の視線すらも。

思い出したくない、普段はしまいこんでいる、

引き出しの奥底、強固な鍵を閉めたはずなのに、いとも簡単に解けてしまう。

なかなか厄介なでめんどくさい代物だ。

忘れた頃に、出会う香りってどんな罰ゲームなの。

あなたの彼はタバコを吸っていたかもしれないし吸っていなかったかもしれない。

でも、某曲のように”タバコのフレーバー”は、消えにくい。

変に中毒性も高い。

最近減った、喫煙者。

反するように増えるタバコの数と、気だるい煙を巻いた彼からの口づけは、それこそ。

他の香りだって同じ。

柔軟剤・香水・ミスト・ヘアスプレー・ワックス。

香りは世の中に溢れかえっていて、知らない香りなんて、ほとんどないくらいだ。

だからこそ、簡単に見つけられてしまうことが憎い。

できれば、出会いたくなかった、そんな絶妙なタイミングで。

ドラッグストアで出会うと、ドラッグストアを恨めしく思うときすらあるし、

テスターの、何ヶ月と語って香りの抜けたものとか嗅いで、彼と同じ香りだと

「あいつ香水何年も同じの使ってたな?」とかわかってしまうこと、よくある。

香りは、1番最初に思い出すくせに、1番最初に忘れてしまうという、なんともわがままだと思う。

忘れなくていい、思い出していい。

香りはどうしようもない。

どう頑張っても、その香水を使う人はいるし、その香りを使うお店だってある。

嫌いになれるのならば簡単で、きっと日々を笑顔で過ごせるのだろうけれど、

嫌いになる方が難しかったりする。

愛された記憶は、勝手にいい方向にしか向かないようにできている、都合のいい私たちには。

だから、忘れなくていい。

嫌いになる必要もない。

思い出してもいいし

悲しんでもいい。

間違いなく、好きだった。

好きだった香りで、好きだった人だった。それだけだ。

mayan
mayan
ファッション雑誌とメディアのライター。 「女の子が幸せになる未来があればそれでいいです。」

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