2018.08.20

恋の一方通行

喉を駆け抜けるサイダーと最後の夏

あーやん。

あーやん

夏休みに入って毎日ベッドの上にいる。クーラーの効いた部屋でアイス食べながらなにも考えない。それがすごく幸せ。

夏が終わる

夏休みに入って毎日ベッドの上にいる。

クーラーの効いた部屋でアイス食べながらなにも考えない。

それがすごく幸せ。

「あれ、今年の夏なにもしてないかも…」

小さく呟いた今日はもう夏休み終わる10日前。

友人も少ないし、彼氏もいないし、今年はなにもないなぁって思った。

一本の電話が入るまでは。

電話越しの掠れた声

そんな今日、一本の電話がかかってきた。

電話越しから掠れた声が聞こえた。

「今なにしてる?」

バイト先の先輩からだ。

「お家で勉強してるよ」

嘘ついた。

少しでもよく思ってもらいたくて。

「今から会える?」

「んー、今中途半端だから1時間後ならある程度勉強終わるかも!」

また嘘ついた。

「今すっぴんで部屋着だから1時間後に」なんて言えない。

「わかった、迎えに行く。」

最初で最後の夏

車で迎えにきてくれた。

くしゃくしゃな笑顔と掠れた声が大好き。

でもバイト先の先輩だし、そんなこと言えない。

それに何だろう、お兄ちゃんって感じ。

面倒見が良くて、優しくて、思いやりがある。

可愛がられてるのも妹っぽいって理由でしょ、どうせ。

そんな素直になれない捻くれた私だけど、あなたへの気持ちは多分本物。

平成最後の夏の、最後のお出かけ。

あなたでよかった。

口つけたサイダー

どこに行くかも知らないまま車に乗ったけど、行き先なんてどこでもいい。

この空間がいい。

「コンビニ寄っていい?」

って言われて、頷いた。

あなたがコンビニで買ってきたサイダーに一口つけて私に渡してきた。

「飲む?」って。

え?ずるくない?

なにその笑顔。

この間接キスは、私のこと好きじゃないからできるの?

それとも、私のこと好きだから?

全然わかんなくて、モヤモヤしたこの気持ちもきっと今しか持てない感情。

喉を駆け抜けるサイダーは私の恋を加速させた。

一瞬で通り過ぎる夏を、あなたと駆け抜けてるみたいで嬉しかった。

あーやん。
あーやん
株式会社DariaMe代表|21歳 元精神疾患 バイセクシャル 『生きるという当たり前に真剣に向き合います』

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