2018.08.03

純白を諦めたワンピース。

Ayano

Ayano

あなたと初めてキスをしました。私の初恋は甘酸っぱくもなく、ただ心臓を締め付けるだけだった。

あなたと初めてキスをしました。

新宿歌舞伎町。煌びやかな街に似合わない私。

手を繋いだ先にいるのは大好きなあなたでした。

そしてホテルに到着するとベッドに座り、あなたと初めてキスをしました。

あなたが初めてワンピースの中を見ました。あなたが初めて私を抱き寄せました。

あなたの指も手も顔も体全て、匂いも髪の毛も、今は私だけのものなんです。

 

純白を諦めたワンピース。

真っ白なワンピースはベッドの横にしわくちゃに脱ぎ捨てられていて、抜け殻のようになっていた。

反対側のベッド横に落ちたあなたのジーンズは、ベルトをつけたままだった。

白いシャツから透けた肌は誰のものになるのでしょう。

あなたが見つめるその未来にいるのは私ですか?

あなたの頭の中にいるのは私ですか?

あなたのタバコの煙が私の目に入って痛かったり、そんなことですら今は幸せです。

誰のものでもないあなたは、いつになったら手に入りますか?

ラジオから流れる天気予報よりも当たらない、あなたの感情。消息不明になってしまうのではないかと思わせるほど気まぐれで自由なあなた。

そんな危険なあなたに恋をした。

純白だったワンピースは汚い夜に包まれて小さなシミをつけた。

 

朝帰り。

午前8時の歌舞伎町は、夜の騒々しさを駆け抜け、静かな街へと変わっていた。たった一夜で全てが変わった。

この街は私を大人にした。

そしてこの街が私に問う。

「あなたの恋は幸せになれるの?」と。

私の初恋は甘酸っぱくもなく、ただ心臓を締め付けるだけだった。

ただ無性に流れてくる涙に見向きもせず、気づかないフリをして、1m先を歩くあなたは、どんどん涙で見えなくなった。

気づいたら目の前にあなたはいなかった。捨てられたと思いたくなくて必死に走った。

走って走って走って。

足でタバコの火を消すあなたの横を追い越した。

白いワンピースは足に絡まり、7cmのヒールは私の背伸びを見逃してくれた。

あなたの全てが好きでした。

あなたの全てが大嫌いでした。

 

Ayano
Ayano
株式会社DariaMe代表|22歳 バイセクシャル 『生きるという当たり前に真剣に向き合います』

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